今日から使いたい! 一目置かれるクリスマスの話

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街がイルミネーションで彩付き、クリスマスムードがとても盛り上がってきました。

 

今回はフィンランド大使館商務部勤務としても知られる、クリスマスナビゲーターの木村さんから、クリスマス、クリスマスカードにまつわるお話をお伺いしてきます。

ーまずそもそも木村さんが「クリスマス」に関心を持たれたのはいつ頃からなのでしょうか?やはりクリスマスに纏わる話が多いフィンランド大使館にお勤めになってからなのでしょうか?

 

クリスマスナビゲーターと呼ばれるようになったのは、実はフィンランド大使館に勤務する前からです。もともと小さい頃からクリスマスの行事が好きだったんです。5~6歳くらいの時に親戚を招いてのクリスマスパーティーをやった際、誰々さんの挨拶をどうぞとか、それでは乾杯「メリークリスマス!」みたいな式次第を書いて、クリスマスパーティーの進行をやった記憶があります。

 

ーまさに今行われているようなことを、その年齢からやられていたんですね(笑)

 

思い出してみると、本当にそうですね(笑)。でもおそらく多くの方がそうだと思うのですが、小さい頃ってクリスマスが好きだったり、楽しみだったりしたと思うんです。

 

各家庭毎で違うとは思いますが、ツリーの下や、枕元にプレゼントが置いてあって、夜にサンタクロースが来たんだ!と思いながらプレゼントを開ける。そんなワクワク感はクリスマスならではの光景だと思います。

 

それが歳を重ねることによって、クリスマスへの関心が薄れていくというのが普通なのかもしれませんが、私はその後年齢を重ねても「クリスマスが好き」という感覚は全く薄れることがなく、クリスマスに関連する資料を読んだり、クリスマスグッズを収集することでクリスマスの知識を吸収していきました。

©visit finland

 

ークリスマスに関連する本というのは色々あるのですか?

 

自分でも読み始めてびっくりしましたが、本当に色々な本が海外のみならず国内でも出版されていて、例えば普通の出版会社以外にも日本キリスト教団などから、クリスマスはこうこう、こういう手順で楽しむものと書かれたクリスマスの楽しみ方を教えてくれる本も出ています。

 

ーそうするとご自身が幼少の時に感じるクリスマスと違って違和感を感じることはありませんでしたか?

 

私は幸いというか、たまたまキリスト教系の幼稚園に通っていたので、クリスマス時期に行われる一つ一つのセレモニーというかやることが、こう言った本に書かれてあったので腑に落ちたというのが最初の印象でした。

ーなるほど、本を読むことによって幼少期の体験が理解できたのですね。ちなみにクリスマスはキリスト教徒の風習と考えていいのでしょうか?

 

基本的にはそうです。しかし歴史的背景を考えると、一概には言えませんが、クリスマス行事はヨーロッパの色々な風俗習慣が混ざった結果出来上がったものと私は考えています。

 

例えばクリスマスの候補日は、実はいくつかあったりとかクリスマスにまつわる話は色々とあるのですが、地域地域にある元々のお祝い事がクリスマスにつながっているとは思っています。

 

ー地域毎のお祝い事ですか?

 

はい、例えば北欧など北部ヨーロッパでいうと、クリスマスに山羊の仮面を被ったキャラクターが大きな袋を持って家を回る風習があります。

 

ー秋田の「なまはげ」みたいですね!

 

おっしゃる通りなまはげに近いですね。そして、結構その羊の顔、つまり仮面がリアルで泣き出す子もいるのですが、最後に「よいこ」にはプレゼントを渡す習慣なんです。

 

北欧に限らず、冬至から宵越しのお祭り、つまり年末年始をまたぐお祭りはヨーロッパ各所にあって、それがクリスマスに紐付いていくということがとても多いと感じています。

ちなみに、フィンランドの話ですが、サンタクロースをフィンランド語で「ヨウルプッキ」と呼びますが、もともと「プッキ」は「山羊」という意味で、「ヨウル」は現在では「クリスマス」の意味ですが元来は「冬至」を表す言葉でした。

 

つまり、ヨウルプッキは冬至の山羊という意味が元来あるのです。

 

©visit finland

ーなるほど、地域の風習がクリスマスに近づいていくというか、クリスマスが地域の風習に近づいていくような部分があったのですね。

ところで、クリスマスというと先ほども話しに出た「サンタクロース」がセットで我々の頭で出てきますが、フィンランドはサンタクロースの国として知られているのには何か理由があるのでしょうか?

 

実はサンタクロースはフィンランドのコルヴァトゥントゥリ山に住んでいるとされています。そのためフィンランドはサンタクロースの国であるといわれるのですが、

そもそも、何故サンタクロースはフィンランドに住んでいることになったのでしょうかという疑問になるかもしれません。

 

ー確かにその通りですね

 

もともとサンタクロースは北極で生まれたと広く思われていました。これは1860年代にサンタクロースの絵を描いていたトーマス・ナストのアイデアであったと考えられています。ところが1925年になってアメリカの新聞に「北極でトナカイのえさの苔が少なくなったのでサンタクロースはラップランド地方に移住した。」という記事が載りました。

さらに1927年にフィンランドの子供向けラジオ番組で、司会のマルクス・ラウティオが「サンタクロースはラップランドのコルヴァトゥントゥリ山に住んでいる。」と発言しました。

このような経緯があり、コルヴァトゥントゥリ山はフィンランドの北東部にある山なので、サンタクロースはフィンランドに住んでいるということになったのです。

©visit finland

 

ーそんな歴史的な背景があったのですね。ちなみにサンタクロースとセットで思い描く「トナカイ」にも、何か様々なお話があるのでしょうか?

 

そうですね、たしかにトナカイといえばサンタクロースのそりを引く動物としてよく知られていますし、現代ではクリスマスにトナカイはつきものです。

 

でも、トナカイは寒い地方のみに生息する鹿科の大型ほ乳類ですので、その生息範囲からもわかるように、中近東でのキリストの誕生、つまりクリスマスとはもともとは縁もゆかりもない動物です。

 

ーでは、なぜトナカイがサンタクロースのサポーター的な立ち位置で登場したのでしょうか

 

実は本当のところはよく分かっていません。しかし、ムーアの詩「聖ニコラスの訪問」にはトナカイ8頭立てのそりに乗ったサンタクロースが描かれています。その後、サンタクロースのそりは8頭のトナカイが引いているのが定番になっていますが、トナカイは整然とした集団行動が苦手だとされますので実際には8頭立てのトナカイぞりは走らせられないそうです。ただ、現在のトナカイに対するイメージはそこから出来上がっているのだと思われます。

 

ーなるほど。本当に様々な要素が今のクリスマスを作り上げているのですね。もう一つクリスマスとセットで考えられるお話、「クリスマスカード」なのですが、木村さんはクリスマスカードコレクターとしても知られています。どういった経緯で集めるようになったのでしょうか?

 

クリスマスに関する本や資料を集めていくうちに、クリスマスカードはクリスマスのキラキラした綺麗なイメージが描かれていることに気づいて、それに加えて、クリスマスの風俗習慣が垣間見れるところに魅力を感じ、そこからハマっていった記憶があります。

 

ーそもそもクリスマスカードはどのようなものなのでしょうか?

 

はい、日本では時候の挨拶に年賀状を出しますが、欧米のキリスト教圏ではクリスマスの時期にクリスマスカードを出すのが一般的になっています。

20世紀初めには、世界で飛び交うクリスマスカードの量が推定800トンだったということですから、今ではどのくらいのクリスマスカードが出されているか、見当も付きません。

 

年賀状と違うのは、待降節(アドヴェント)の期間中ならば、早めに届いても大丈夫だという点です。もし早めに受け取っても、びっくりしないようにしてください。

 

また、年賀状と異なり、喪中の人に出したりすることもかまいません。その起源は、英国の子供たちが学校で作ったきれいな二つ折りのカード「クリスマスワークス」だったであろうといわれています。

 

ーなるほど、年賀状に立ち位置は近いですが、細かいところで違うところは多いですね。

 

そうですね。そして、クリスマスの時期が近づくとフィンランド・ロヴァニエミのサンタクロースの郵便局では多くのクリスマスカードの仕分け、発送でトントゥ、サンタクロースともに大忙しです。宛先別の多くの引き出しがある仕分け棚やサンタクロースの執務机など、実際にロヴァニエミにあるサンタクロース郵便局で見ることができます。

 

ー先ほど最近よく聞くようになった、アドヴェントの話が出ましたが、フィンランドではアドヴェントの時期はいつからいつまでなのでしょうか?

 

今はアドヴェントカレンダーやツリーなども出ているので、25日つまりキリストの誕生日までがアドヴェント期間ですが、クリスマスの時期で考えるとまた違った捉え方があります。

 

ーどういうことでしょうか

 

アドヴェントは確かに12月25日を基準にして考えられるものですが、先ほども申し上げた通り、元来冬至から年越しまでのお祝い事が各地域に根付いています。ヨーロッパ諸国では、1月6日がエピファニーというお祝いの日として知られていて、クリスマスツリーはこの日まで飾っていいものとされています。

 

ー12月26日にはツリーを片してしまう日本とはだいぶ違いますね(笑)

 

確かにそうですね(笑)。ヨーロッパ諸国ではアドヴェントに入って、翌年の1月6日の長い期間をクリスマスと捉えているので、日本と比べるとだいぶ長くクリスマスを楽しんでいると思います。

 

なので、クリスマスカードも新年の挨拶を兼ねて送られているのです。

私も様々なクリスマスカードを持っておりますが、メッセージで「クリスマスおめでとう、そして新年おめでとう」というような物も多く見ますし、明らかにクリスマスの絵柄なのに「新年おめでとう」というメッセージしか書かれていないものもあったりします。

 

これを見ても、クリスマスの成り立ちが、冬至をお祝いして、1年の無事終え、また新しい1年を祝うという一連の流れというのが分かるのではないでしょうか。

 

ーこうして話をお伺いしてくると、クリスマスのイメージも変わってきますし、色々自分で調べてみたくなってきますね

 

そうですね、私もクリスマスに関心を持ってから様々な文献で調べて楽しみを知っていきました。皆さんも世界史の授業で宗教改革や清教徒革命という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、クリスマスという風習はこう言った出来事も密接に関わってきます。

 

ぜひ多くの方にこういった歴史、地域の風俗習慣も学びながらクリスマスというものを知って頂ければと思っています。

ー最後に、木村さんはトントゥ検定も監修されていますね

 

はい、数年前からの取り組みです。トントゥはサンタクロースのお手伝いをする小人を指しますが、クリスマスをより多くの人に理解してもらえるための検定となっています。3級から1級まであり、3級はweb検定と成っているので、少しでも関心がある方は是非webを覗いてみてください。

 

トントゥ検定はこちら

 

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