リンドグレーンの若かりし激動の日々を描いた感動作が公開中!

「長くつ下のピッピ」「ちいさいロッタちゃん」「やかまし村の子供たち」「名探偵カッレくん」を創り出した、スウェーデンを代表する児童文学作家のアストリッド・リンドグレーン。彼女の人生で最も激動といえる若かりし日々を描いた映画『リンドグレーン』が、12月7日より岩波ホール他、全国で絶賛公開中です!!



|ストーリー

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兄弟姉妹とスウェーデンのスモーランド地方の自然の中で伸び伸びと育ったアストリッドは、思春期を迎え、より広い世界や社会へ目が向きはじめる。教会の土地で農業を営む信仰に厚い家庭で育ちながら、“率直で自由奔放”な彼女は、次第に教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりや男女の扱いの違いに、息苦しさを覚え始めていた。そんな折、文才を見込まれ、地方新聞社で働き始めた彼女は、才能を開花させはじめる。しかしその矢先、アストリッドの人生は、予期せぬ方向へと進んでいく――。

|リンドグレーン再生の物語

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過去の偉人を題材に取り上げた映画作品は、得てして「どのように成功したのか」にフォーカスが当てられ、暗い部分がなく華やかな作品が多い印象がありますが、本作品は趣向がちょっと異なります。もちろん、リンドグレーンが才能を開花させていくシーンも織り込まれますが、あることが起こり失意のどん底に陥り、そこから彼女自身が再生していく部分に重きを置かれています。観ていて身が詰まらせられるというか、観ていて辛いシーンもありますが、きちんと正面からリンドグレーンを捉えて描き切られているのが本作品の特徴です。

|1人の女性としてのリンドグレーン

LifTe 北欧の暮らし リンドグレーン 岩波ホール スウェーデンの風景
リンドグレーンは、児童文学作家という一面と、原発問題や、暴力反対へのメッセージなど社会的活動も行なう一面を持っており、スウェーデンの国民から絶大な支持を得ていた女性でもありました。そのため、彼女が亡くなった時には新聞が1面で報じ、葬儀にはスウェーデン国王も参列したそうです。現代のスウェーデンは女性の社会進出が進んでいるという話がありますが、リンドグレーンの生涯は、まさにそれを体現したものだと思います。今回メガホンを取ったのはペアニレ・フィシャー・クリステンセン。デンマークの女性監督で、本作品が5作品目。女性目線だからこそ、本作品のような良い意味で"骨太"な、見応えのある作品に仕上がっているのだと感じました。

|スウェーデンの美しい風景

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ストーリーとしてのクオリティが高い『リンドグレーン』ですが、もう1つの見所は、ため息が出るほど美しいスウェーデンの風景。リンドグレーンが創ってきた多くの児童作品には、スウェーデンの田舎の風景がよく描かれていますが、その源泉とも言える彼女が暮らし、すぐそこにあった風景が映画でも丁寧に切り取られています。

北欧に関心のある方はもちろん、多くの女性に観ていただきたい素晴らしい作品です。



|『リンドグレーン』予告編

|キャスト・スタッフ

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監督・脚本:ペアニレ・フィシャー・クリステンセン
脚本:キム・フォップス・オーカソン
出演:アルバ・アウグスト、マリア・ボネヴィー、マグヌス・クレッペル、ヘンリク・ラファエルセン、トリーネ・ディアホム
2018年/スウェーデン=デンマーク/スウェーデン語・デンマーク語/123分/カラー/シネスコ/5.1ch
原題:Unga Astrid 字幕:大西公子 字幕監修:菱木晃子 後援:スウェーデン大使館、デンマーク大使館
配給・宣伝:ミモザフィルムズ レイティング:PG12
12月7日(土)、岩波ホールほか全国順次公開
公式サイト:http://lindgren-movie.com
© NORDISK FILM PRODUCTION AB / AVANTI FILM AB. ALL RIGHTS RESERVED.

|2020年は「長くつ下のピッピ」生誕75周年!


出典:長くつ下のピッピTMの世界展

日本・スウェーデン外交関係樹立150周年として、2018年夏に開幕し巡回した「長くつ下のピッピの世界展 ~リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち~」。「長くつ下のピッピ」生誕75周年の記念年となる2020年に、神戸ファッション美術館(2/1(土)~3/29(日))、鳥取県立博物館(4/4(土)~5/6(水・祝))での追加開催が決定しています。見逃してしまったり、お近くの方は是非!

http://www.pippi-ten.com




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コメント

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  • コメント (1)

    • Bindeballe Publishing Ltd
    • 2019年 12月 12日

    いつも楽しく拝見しています。
    一つ、訂正を・

    ペアニレ・フィシャー・クリステンセン氏はをスウェーデンの女性監督ではありません。
    彼女はデンマークの監督です。
    デンマーク人監督だから、できた作品だと思います。
    訂正、宜しくお願いします。

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