スウェーデンのファニチャー・メーカー「Gärsnäs(ヤシネス)」と⽇本を代表する建築家の隈研吾がコラボレーションを発表!
今回誕生したチェアは、「HidaHida(ヒダヒダ)」と命名され、発表を記念するトークイベントが開催されました。
「HidaHida(ヒダヒダ)」発表記念トークショー
左から隈研吾氏、中原慎一郎氏、南雲浩二郎氏
発表記念イベントとして開催されたトークイベントのゲストには、隈研吾氏、コンランショップ・ジャパン代表取締役社長の中原慎一郎氏、ビームス ディレクターズバンク クリエイティブディレクターの南雲浩二郎氏が登壇。
トークイベント冒頭には「ヤネシス」の日本代表事務所を務めるコアド&マテリアルズ代表の木本浩司氏からブランドについてこう説明がありました。「ヤネシスは、1893年の創業以来、⾼品質の⽊製家具製作に注⼒し、「品質」「持続可能性」「職⼈技」を基盤に、環境への責任を重視し⻑期的視点に基づき経営をしているブランドです」。
隈研吾氏は、「スウェーデンの家具が生活に寄ったシンプルなつくりでありながら、ある種それがエレガンスにつながると感じていた。そこから着想を得て、HidaHida(ヒダヒダ)を自分が家具づくりの上で最も大切にしている、人間の体に対するやさしさを追求した。スウェーデンのリサイクルフェルトを背中の構造材として使用し体を受け止めてくれるやわらかさと"ひだ"の感覚にこだわった。背中をすっぽりつつみこむ感覚を表現できるヒダヒダというオノマトペの名前をこの家具につけた。また、あえて生地は巻き込まず裾が広がるスカート的なデザインにし重厚過ぎない軽やかさを表現した」と語りました。
コンランショップ・ジャパン 代表取締役社⻑ 中原慎⼀郎⽒は⾃社の創業者であるイギリスのテレンス・コンランが現在の北欧デザインの基盤が確⽴された1960年代当時、北欧のシンプルモダンなデザインに影響を受けていた様⼦が伺える点など現在につながる歴史について語りました。
ビームス ディレクターズバンク クリエイティブディレクターの南雲浩⼆郎⽒⽒は「スウェーデンのスヴェンスクテンでもオーストリア⼈がデザインしてスウェーデンで作るということが⾏われ⼈気となった。このチェアは⽇本⼈がデザインしてスウェーデンで作っているという点でインターナショナルで、違うカルチャーがミックスされているということで平和につながるコンビネーションになるのかなと感じる」と話しました。
来場者からは「建築やデザインの専門家である登壇者から違う視点からの話を聞くことができてとても参考になった」という声がありました。
トークショーに続き、スウェーデンを代表する家具デザイナーであり、ヤシネスの顔でもある、オーケ・アクセルソンの短編映画(エヴァ・クムリーン監督)が上映されました。
オーケ・アクセルソンはその作品が、ノーベル賞の祝賀会場、王立図書館などの国の施設への納入や、NYの国連ビルのコンファレンス・ルームに採用されているデザイナーです。
このオーケ・アクセルソンがデザインし、自身の工房で製作していた「NOMADコレクション」の製作が日本で開始するというアナウンスもイベント中に行われました。
HidaHida(ヒダヒダ)
⽇本語の「ひだ」に由来し、ドレープに似た意味を持ちますが、ここでは擬⾳語を意味しています。
このチェアの特徴は、アップサイクルPETから作られた耐荷重性のあるフェルトに、ファブリックやレザーを巻きつけた構造にあります。
背もたれ部分にはフレーム構造部材はありません。このイージーチェアの張地フェルトは、隈研吾⽒にとって特別な興味と魅⼒を持っていました。
はっきりと強調された縫い⽬が、このイージーチェアに個性を与えています。
■製品名:隈研吾デザイン「HidaHida(ヒダヒダ)」
■素材:バックフレーム:フェルト、アーム・レッグ:ビーチまたはオーク無垢材シート:ファブリックまたはレザー
■種類:イージーチェア
■発売元:株式会社コアド&マテリアルズ
隈研吾(くま けんご)プロフィール
1954年生まれ。建築家。
1990年に隈研吾建築都市設計事務所を設立する前、東京大学で建築学の修士号を取得。現在、同大学教授および名誉教授を務めている。
1964年の東京オリンピックのために建てられた丹下健三の国立代々木競技場に感銘を受けた隈研吾は、若い頃に建築家の道を志し、後に東京大学建築学科に入学し、原広司、内田義親に師事。大学院在学中、サハラ砂漠を横断する研究旅行で、さまざまな村や集落を視察し、独特の力強さと美しさを見出しました。ニューヨークのコロンビア大学で客員研究員を務めた後、東京に事務所を設立した。
以来、隈研吾建築都市設計事務所は世界30カ国以上で建築作品を手掛け、日本建築学会賞、フィンランド・スピリット・オブ・ネイチャー木造建築賞、イタリア・国際石造建築賞など、名誉ある賞を受賞。隈研吾建築都市設計事務所は、周囲の文化や環境に自然に溶け込む建築を目指し、優しく人間的なスケールの建築を提案。コンクリートや鉄に代わる新素材を常に模索し、脱工業化社会における建築の新たな在り方を模索している。
Gärsnäs(ヤシネス)について
1893年、家具製造業として創業。2003年以来、アンナ(Anna)とダグ・クロックビー(Dag Klockby)、アンナの⽗親でデザイナーのオーケ・アクセルソン(Åke Axelsson)と共に管理運営されている家族経営の企業で、スウェーデンのスコーネ県オーステレン・ヤシネス村に置かれている。
先進的なデザインや品質、快適さ、⾼度な職⼈の技術によりスウェーデンはもとより国際的にも⾼い評
価を得ている。また、環境に対して⻑期的な視野を持ち、⾼品質で世代を超えた家具作りと、持続可能性の社会のために積極的に環境活動に取り組んでいる。
ヤシネスは、オーケ・アクセルソン、David Ericsson、Färg & Blanche、Nina Jobs、Pierre Sindre、 TAF Arkitekter、Matti Klenell、David Regestam など多くの有⼒デザイナーとコラボレーションし数々のベストセラーを創出している。
ヤシネスの家具の原材料は、スウェーデン南部やヨーロッパで調達し、創業当初から、そのリソースを賢く効率的に使⽤してきました。お客様と⻑く良好な関係を築き、販売した家具の循環的で⻑期的なアフターサービスのシステムを構築し、家具の経年劣化や摩耗、傷みなどは、再び鮮やかに輝くように、改修、張り替え、塗装し、新たな命を吹き込んでいる。
ヤシネスの家具は、家具の品質評価メーベルファクタ(Möbelfakta)の基準によって環境宣⾔され、承認されている。また、ISO14001 認証も取得している。
ヤシネス・デザイナー 〈オーケ・アクセルソン(Åke Axelsson)〉プロフィール
家具職⼈、デザイナー、建築家、ヤシネスの共同経営者。
オーケ・アクセルソン (1932年⽣まれ) は、北欧デザインを代表する巨匠とも呼ばれ60年にわたるキャリアを通じて数多くのインテリアや椅⼦のデザインを⼿がけてきました。彼がヤシネスで最初にデザインした椅⼦ 「S-217」 は、 1963年にデザインされ、61年を経た現在も⽣産が続けられている。 他にも、「Light & Easy」、「Akustik、Gästis」など多くのデザインと新しいモデルをヤシネスにもたらし、ベストセラーを⽣み出している。彼の功績として、図書館、レストラン、市庁舎、教会、博物館、カフェなど、⼈々が集まる公共スペースで使われる椅⼦を⼿がけたことも広く知られている。
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