8月1日は、イケアが制定した“やっぱり家の日”。
その記念日にあたるこの日、暮らしの未来を考えるシンポジウム「Life at Home 2050」が開催されました。
家庭での暮らし方や役割分担のあり方を見つめ直し、“よりよい暮らし”のあり方を考える本イベントには、企業・行政・大学・市民団体など、多彩な立場のゲストが集結。
産官学民が連携しながら、「2050年の家での暮らし」を共に描く対話の場となりました。
第2回「Life at Home 2050」シンポジウム

イケアが提唱する「Life at Home 2050」は、“家での暮らし”と社会のつながりに目を向ける長期プロジェクト。
家庭内の平等性や役割分担のあり方は、それぞれの家庭や働き方によって異なり、社会全体にも深く関わる複雑なテーマです。
だからこそ、企業・行政・大学・市民団体が対話し、協力しながら共に考えていくことが大切。
シンポジウム冒頭では、イケア・ジャパン 代表取締役社長 兼 Chief Sustainability Officer のペトラ・ファーレ氏より、「Life at Home 2050」の理念と、プロジェクトに込めた想いが語られました。

シンポジウムではまず、プロジェクト始動から1年間の取り組みを振り返りながら、今後の展望が語られました。
登壇したのは、イケア・ジャパン Communication Business Partnerの大谷 陽子氏。

「Life at Home 2050」が目指すのは、家の中で当たり前とされてきた価値観や役割を見つめ直し、それぞれが自分らしく暮らせる“未来の家のあり方”を共に考えていくこと。
「家の中のモヤモヤを言葉にすることが、社会との対話につながる」。そんな思いを込めて、これからの暮らしのヒントを探る対話が呼びかけられました。
さらに、こうした共創の考えを広げていくツールの一つとして、イケア・ジャパン主導で制作された絵本『たびする家(いえ)』が、この日初めて公開されました。

この絵本は、企業や大学との対話を通じて発展したプロジェクトで、“自分の中のあたりまえ”を見直すきっかけをくれる一冊です。
物語の主人公は、4人家族のカヤさん一家とその“家(いえ)”。
家族が心の中に抱えるモヤモヤや葛藤をそっと見守っていた“家”が、ある日突然家族とともに旅に出て、さまざまな暮らしの形に触れていく──というストーリー。
ジェンダーや世代、国籍の違いを超えた「家での暮らし」を通じて、読者自身の価値観を揺さぶり、対話のきっかけを生む内容となっています。

そして、イベント後半には、各分野で活躍するゲストによるトークセッションが行われました。
登壇したのは、
・東京科学大学 准教授:治部れんげ氏【写真右】
・認定NPO法人フローレンス 前田晃平氏【写真中央】
・U・N Women(国連女性機関)日本事務所 所長:焼家直絵氏【写真左】

絵本のテーマに沿って、“あたりまえ”を見つめ直すことや、ボーダレスな対話の大切さについて語られる中、とくに印象的だったのが、認定NPO法人フローレンスの前田晃平氏による次の言葉でした。
「“一家の大黒柱は男性”というあたりまえから自由になれたことで、肩の荷が下りて、働き方を柔軟に変えられた」。
実体験に基づいたリアルな言葉には、会場の参加者からも深くうなずく姿が多く見られました。
「Life at Home 2050」は、家の中の小さな気づきから社会の変化につなげるプロジェクト。
今回のシンポジウムでも、家族や自分との対話を深めることの大切さが何度も語られていました。
未来の家での暮らしは、誰かが決めるものではなく、私たち一人ひとりの問いかけと対話から生まれていくのかもしれません。
“やっぱり家の日”は、年に一度のきっかけ。
でも、暮らしを見つめ直す対話は、今日からでも始められます。
あなたの「家」では、どんな話ができそうですか?
「たびする家(いえ)」英訳版「The Traveling Home」を読んでみよう

今回発表された絵本『たびする家(いえ)』は、誰でも無料でダウンロードして読むことができる電子絵本として公開されています。
英語版「The Traveling Home」も同時公開されており、世界中の人が“暮らし”について考えるきっかけとなるよう制作されています。
【内容紹介】
物語の主人公は、カヤさん一家とその家(いえ)。
4人暮らしのカヤさん一家は、仲が良いのが自慢のすてきな家族。
けれど実は、みんなの心のどこかにうまく言えないモヤモヤを抱えていて、
それをうまく言葉にできなかったり、一歩を踏み出せなかったり——。
そんな家族をそばで見守っていた“家”がある日、動き出し、旅に出ます。
旅の中でさまざまな家や暮らし、自分らしさに触れながら、
家族みんなが少しずつ「ほんとうの気持ち」に向き合っていく、やさしい物語です。
絵本の最後には、2050 年の家での暮らしを家族と一緒に考え自由に書き込みができるページがあります。
【絵本 概要】
■タイトル:「たびする家(いえ)」英訳版「The Traveling Home」
■作家:森川かりん
■絵:ool (ウール)
■仕様:電子版(PDF)、限定印刷版(A5、あじろ綴じ、36 ページ)
■値段:非売品
絵本は下記の電子版リンクから読むことができます。
👉絵本『たびする家(いえ)』日本語版ダウンロードはこちら
👉絵本『たびする家(いえ)』英語版ダウンロードはこちら
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