いよいよ最終日となったこの日は、朝からヘルシンキ市内をゆっくりと歩きながら過ごす一日。
滞在していたアパートメントホテル近くのベーカリーで朝食をとり、晴れわたる空の下、トラムと徒歩で中心部を巡ります。
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ベーカリーカフェ「Gateau(ガトー)」で迎えるフィンランドの朝 -MAP①

黒い看板とガラス張りの店構えが目を引くガトーは、地元でも人気のベーカリー。
素材や製法にこだわって、一つひとつ丁寧に焼き上げられたパンが並ぶお店です。

店内はこぢんまりとしながらも清潔感があり、朝の時間帯でも次々とお客さんが訪れていました。
ショーケースにはクロワッサンやペストリーがずらりと並び、壁の棚にはコーヒーやグラノーラなども揃っています。

この日いただいたのは、フィンランドの定番「コルヴァプースティ(Korvapuusti)」と、香り高いカルダモンロール。
コルヴァプースティは、フィンランドで親しまれているシナモンロールで、耳のような形が特徴。ほんのり甘く、シナモンの香りがふわっと広がります。
カルダモンロールは、生地に練りこまれたカルダモンが爽やかに香る、大人の味わい。どちらも、北欧の朝にぴったりの優しい美味しさでした。
快晴のヘルシンキを、のんびり街歩き

朝食のあとは、ヘルシンキ中心地へ。
この日は雲ひとつない快晴。日差しはたっぷり差し込んでいたけれど、空気はまだ冷たく、本格的な春の訪れはもう少し先のよう。
そんな“冬の終わりの静けさ”が漂う朝でした。

滞在先からトラムで市街地まで移動し、そこからは徒歩でのんびりと散策。
ヘルシンキは街の中心がコンパクトにまとまっていて、天気がいい日なら歩いてまわるのもおすすめです。
マリメッコ本店の前を通りかかると、ウニッコ柄のウィンドウが通りに彩りを添えていました。

広場に出ると、真っ白な「ヘルシンキ大聖堂」が青空にくっきりと映え、その美しさに思わず足を止めてしまうほど。
石畳の広場には観光客の姿もちらほら。冷たい風が吹く中にも、どこか穏やかな空気が流れていて、冬の終わりを感じる静かな時間でした。
大聖堂を眺めながら「Café Engel(カフェ・エンゲル)」で心ほどけるカフェタイム

ヘルシンキ大聖堂を間近に望む場所にある老舗「カフェ・エンゲル」で、ひと休み。
建物の外壁にある天使のサインが目印のこのカフェは、地元の人にも観光客にも長年親しまれている人気店です。
店内に入ると、ちょうど窓際の特等席が空いていて、迷わずその席へ。

目の前には、堂々とした姿のヘルシンキ大聖堂がどーんと構え、まるで絵画のような景色が広がります。
この日いただいたのは、自家製のストロベリータルトとホットコーヒー。

見た目の鮮やかさにまず心を奪われ、ひとくち食べると、甘酸っぱいイチゴの果肉ととろけるようなクリーム、サクッとしたタルト生地のバランスが絶妙。
丁寧に手作りされていることが、味からも伝わってくるような一品。
美しい景色と美味しいケーキ、そして静かな時間で、心落ち着くカフェタイムとなりました。

実はこの「カフェ エンゲル」、隣に小さな映画館(ミニシアター)が併設されているのも特徴のひとつ。
店内には、公開中の映画ポスターが何気なく貼られていて、カフェで過ごしながらも映画の世界観を感じられる独特の雰囲気があります。
この日、目に留まったのは、是枝裕和監督の『MONSTER(怪物)』と、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか(Poika ja haikara)』のポスター。
どちらも日本発の話題作で、こうしてフィンランドでもしっかり上映されていることに、改めて日本映画の人気の高さを感じました。
アニメだけでなく、ヒューマンドラマや社会派作品など、日本映画はフィンランドでも幅広く受け入れられていて、特にミニシアター系の映画館では定期的に上映されています。
ふとした瞬間に自国の文化を見かけると、どこか誇らしく、そしてちょっぴりホッとする——そんな出来事も、旅の大切な記憶のひとつになりました。
サウナ「Finnska Souvenirs/Sauna Boutique」

カフェでひと息ついたあとは、すぐ近くの「Finnska Souvenirs / Sauna Boutique(フィンスカ・スーヴェニア サウナブティック)」へ。
石畳の道沿いにあ離、大きくはない店構えですが、店内にはフィンランドらしいお土産とサウナ関連アイテムがずらりと並んでいます。

サウナハットやレードル、バケツなど、どれも「これぞサウナ大国フィンランド!」というアイテムばかり。
デザインも洗練されたものから、くすっと笑える可愛いものまで揃っていて、見ているだけでも楽しい空間です。

さらに、フィンランドの老舗的スタイルブランド「Jokipiin Pellava(ヨキピーンペラヴァ)」のサウナマットや、「HUKKA DESIGN(フッカデザイン)」の天然石を使ったマッサージアイテムなど、LifTe編集部がこれまで取材してきたブランドのアイテムにも出会えました。
観光地にあるお土産屋さんとは思えないほど、セレクトされたラインナップはまさに“通好み”。
ヘルシンキで、フィンランドらしい一品を探したい方に、ぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
👉HUKKA DESIGNの代表へのインタビュー記事はこちら
👉ヨキーピーン・ペラヴァを取材した記事を掲載している雑誌「LifTe北欧の暮らし」vol.01はこちら
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