年が明けてめっきり寒さが厳しくなってきました。
そんな時にやはり欲しくなるのは温かい飲み物ですが、皆さんは北欧各国のコーヒー消費量が高いことをご存知でしょうか?
特にノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデンはコーヒー消費量が世界有数の国として知られています。
|コーヒーを巡る歴史
北欧諸国が位置するスカンジナヴィア半島にコーヒーが伝わったのは18世紀初頭頃と言われていて、
瞬く間に市民権を得たのですが、
当時コーヒーの中毒性を心配する声も上がりコーヒー禁止令が発令されたり、解除されたりとコーヒーを巡る騒動も多かったようです。
当時スウェーデンの国王だったグスタフ3世は、
ある双子の囚人にそれぞれ、紅茶、コーヒーを毎日飲ませ、
どれくらい身体に影響が出るかの実験も行いました。
結果が出る前にグスタフ3世は暗殺されてしまったのですが、
結果としては紅茶を摂取していた囚人が一足早く息を引き取りました。
当時の平均寿命は40歳前後という記録も残っている中で、
その双子の囚人はそれぞれ70歳過ぎ(!)まで生きたそうです。
それがコーヒーや紅茶の効能なのかは定かではありませんが、
国王発令の元、コーヒー、紅茶が身体にもたらす影響を実験するということは、
国としてコーヒーに関心がとても高かったことを示しています。
その後正式にコーヒー禁止令も解除され、
国民の飲み物としてコーヒーは地位を築くことになりました。
19世紀になると、スウェーデンではこのコーヒーにまつわる、ある言葉が誕生します。
|コーヒーが文化に根付く
それが「fika(フィーカ)」
スウェーデン語kaffe(コーヒー)の異綴kaffiからfikaに派生したと言われていて、
このfikaは簡単に言うと「コーヒーブレイク」という意味で使われます。
このfikaという言葉は、スウェーデンではコミュニケーションを取る上で欠かせない言葉の一つとしても考えられていて、
知人を家にお茶に誘うときにも「fikaしない?」というように使われたりもします。
もちろん、一人で一杯のコーヒーを楽しむこともfikaではありますが、
多くの場合は誰かとコーヒーを飲みながら会話を楽しむことがfikaの真骨頂。
オフィスでも独特な文化があって、
1日に数回「コーヒーを飲む権利」が従業員にはあります。
大体のオフィスでコーヒーを入れるスペースというものがあって、
決まった時間帯にコーヒーを淹れて集まって飲むという風習が定着しています。
そしてスウェーデンの映画や、小説でも誰かが家に訪問すると、
提供されるのがコーヒーというのも定番。
もちろん、水質が良いため、
コーヒー本来の酸味が引き立ち、おいしいコーヒーが飲めるため、
多くの国民がコーヒーを愛しているとも言えますが、
コーヒーを飲みながらコミュニケーションをとり、
少しずつお互いの距離を近づけるという、fikaの文化が長く愛されていることが、
長年コーヒー消費量が高い国として君臨している大きな理由だと思います。
寒い冬だからこそ、暖かいコーヒーを飲みながら、知人や友人、
そして家族とfikaを楽しむのはいかがでしょうか?
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