|フィンランド大使館内に木製のパビリオンが出現!
2月19日(火)、フィンランド大使館で記者会見が催されました。今回発表になったのは、フィンランドの豊かな森林資源を活用した2020年東京オリンピックにおける仕掛け。
フィンランド林業の大手である「メッツア社(メッツァはフィンランド語で「森」という意味)」と財政支援、貿易、投資、観光推進を目的とするフィンランドの政府系機関である「ビジネスフィンランド」、そして「駐日フィンランド大使館」が協力し、大使館の敷地内に来年、床面積200平方メートルの木製「メッツア・パビリオン」を建設することが発表になりました。当日は、フィンランドから経済産業大臣、ミカ・リンティラさん、ビジネスフィンランド理事長のペッカ・ソイニさん、そしてメッツア・グループ・アジア社長の宗望球さんから、コンセプトや使用用途、展望の説明がそれぞれありました。
メッツア・パビリオンは何に使用されるのか
今回のメッツア・パビリオンの大きな目的の一つは、2020年に東京で開催される東京オリンピック、パラリンピックの選手達が集うホスピタリティハウスとしての役割。選手達の記者会見なども、ここで開催される予定です。
フィンランドは今まで、2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピック、そして1998年長野で開催された冬季オリンピックでも同様なホスピタリティハウスを設けましたが、既存の施設を利用したものでした。今回の試みはホスピタリティハウスのために一から建設するという、フィンランドにとっても初の試みとなります。
そして、今回は東京オリンピック・パラリンピック以外での使用も予定されており、例えばフィンランド関係の企業の展示や、一般の方々向けのイベントも予定されているそうです!
メッツア・パビリオンのお披露目はいつになるのか、なぜ大使館に建設されるのか
現在の予定だと、2020年6月1日(土)に完成予定とのこと。また、メッツァ・パビリオンは、オリンピック開催後も敷地内に残り、年末まで使用予定。建設の場としては、いくつか選択肢がありましたが、2016年リオデジャネイロオリンピックの際、ホスピタリティハウスと選手村の距離があることによって利用しづらいという点があり、今回は大使館の所在地と、選手村との距離が近いということもあり大使館敷地内での建設という形になったそうです。
|設計はヘルシンキを拠点とするHelin&co
今回のメッツァ・パビリオンを設計したのは、ヘルシンキに拠点を置く「Helin&Co」。Helin&Coは、ユヴァスキュラ空港や、フィンエアー本社の他にも、メトロの「ラウッタサーリ」駅、そしてエスポーに建設したヴィラスノーホワイトなど、自然と調和しながら見るものを高揚させる建築デザインを行う会社です。彼らのコンセプトの一つに「持続可能」というものがあります。今回のメッツア・パビリオンも将来、他の目的に再利用される予定です。
そしてもう一つ大きく注目したいのは、今回のパビリオンが木製というところ。
|森の国フィンランド
フィンランドは自然が豊かなことから「森と湖の国と呼ばれ」、湖は小さい物を含めれば優に100,000以上はあります。それでは、森はどれくらいあるのでしょうか。フィンランドは国土面積に対して森林が占める割合は、およそ74%となっています。日本も森林が多いというイメージがありますが、国土に対して森林の割合は68%強に留まっており、フィンランドは先進国の中で最も森林の保有率が高い国なのです。
|フィンランドの林業 そして森林を絶やさない仕組み
そのため、フィンランドの林業は古来から重要な産業となっていて、フィンランドの国内総生産(GDP)の20%程度は森林産業で成立しています。輸出も盛んで、生産されたものの半分を輸出しており、そのうち50%程度は日本に輸出されています。フィンランドのすごいところは、法律で植樹が義務付けられているところ。年間森林産業で利用されているのは、6,000万立方メートル程度ですが、それに対して植樹されているのは1億立方メートルということで、フィンランドの森林資源は年々増えているのです。
今回のメッツア・パビリオンは、フィンランドが誇る森林資源を最大限活用したものなので、今から完成が楽しみ!完成後に、またレポートするのでお楽しみに♪
メッツア・パビリオンに関するフィンランド大使館のリリースはこちら
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