2023年1月にリニューアルオープンした東京・南青山の「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア」。
リニューアル時にニコライ・バーグマンは、「キッチンを地下に設置し、カフェスペースを広げた。料理はデンマークを感じるメニューをさらに提供していきたい」と意気込みを語っていました。
そのコメントを体現するかのようなイベント"Danish Christmas Dinner"が12月7日(木)に開催されました。
コンセプトはもちろん、提供された料理、飲み物すべてクオリティがとても高く、デンマークらしさを存分に感じた"Danish Christmas Dinner"のイベントレポートです。
"Danish Christmas Dinner"はアドベントをイメージ
"Danish Christmas Dinner"の会場となった「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア」は、クリスマスも近いということで店内の装飾もクリスマスモード。
壁面にはモミの木をイメージしたオブジェも設えられていました。
イベント開始前に今回シェフを務めたデンマーク出身"Kasper Kragelund"は、今回のテーマに関してこう語りました。
「デンマークではクリスマスまでの期間(アドベント)をとても大切にします。ここ近年は12月1日から24日までの期間をアドベントとする人も多く、アドベントカレンダーは、デンマークの多くの家庭で親しまれています。今回のイベントではこのアドベントにちなみ、24種類の料理を用意しました。デンマークの伝統料理をモダンにアレンジしたので是非デンマークらしさも感じながら楽しんでください」。
今回は24種類の料理が4皿ずつ前菜からデザートまでテーマごとに提供され、各プレートにあわせたワインも用意されているとのことなので、いやがおうにでも期待が高まります。
The Greetings
"The Greetings"と名付けられた前菜はこの4品。
左上:フライドポークスキン トリュフマヨネーズ添え(puffed pork belly, truffle mayo)
右上:シュリンプタルタル&クランベリー(shrimp tartar, cranberries)
左下:チキンチップス リークマヨネーズ添え(chicken chip, leek mayo)
右下:ニシンソテー エッグソース添え(fried herring, egg sald)
手間暇かけたチキンチップスが絶品
このプレートで一番印象的だったのが「チキンチップス リークマヨネーズ添え」。
水と鶏肉の胸肉をミキサーにかけ3日間寝かしてから干して揚げたという大分手間暇をかけた料理。
口に含むとサクッという食感の後すぐにじゅわっと脂が染み出てくるような不思議な食感。
ジューシーな脂を堪能できる逸品でした。
"The Greeting"に合わせて提供されたワインは、「ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット」。
Silent Night
2皿目"Silent Night"はこちらの4品。
左上:白身魚のカルパッチョ(catfish carpacio, roasted chive mayo, tomato, bacon)
右上:サバのビネガーマリネ マスタードシードとシャンパンソース添え(pickled mackerel, pickled mustard seeds, champagne sauce)
左下:ホタテとゆずのカルパッチョ(salted marinated scallops in yuzu broken jelly)
右下:カニとチンゲンサイのサラダ(grilled pak choi & fried crab salad)
濃厚なホタテの味わいを引き立てるクリームチーズ
このプレートはどの料理もクオリティが高かったのですが、特に驚かされたのは「ホタテとゆずのカルパッチョ」。
ホタテの下にクリームチーズが敷かれているのですが、この酸味が少し強めのクリームチーズと、濃厚なホタテの味わいが抜群の相性。
ゆずの爽やかさも良いアクセントになっている素晴らしい一品。
"Silent Night"でペアリングされたワインは、カリフォルニア産のシャルドネ「レベル・リッジ シャルドネ2020」。
Winter Scent
3皿目"Winter Scent"はこちらの4品。
左上:ロブスター&ル レクチェ(fried spiny lobster, pear, lobster foam)
右上:ガーフィッシュのフライ&リンゴンベリー(fried hornfisk, marinated lingonberries, parsley boullion)
左下:ベイクドカラスガレイ バターソースがけ(baked halibut, parsley panade, butter bowl cabbage, brown butter, roasted hazelnuts)
右下:茹で鱈 マスタードソース添え(boiled cod, capers, horseradish, pickled beetroot, mustard sauce)
ソースが素晴らしい茹で鱈の一皿
鱈は北欧でもよく食される魚の一つですが、今回提供された鱈は、水、バターでしっかり茹でてあり風味がとても高い。
自家製のマスタードソースにほどよい甘みもあり、この鱈の風味をさらに引き立ててくれます。
付け合わせのビーツやホースラディッシュで味の変化を楽しめるのもポイント。
"Winter Scent"のペアリングとして提供されたワインは、イタリアの「ペスキエラ・ディ・パチーノ ビアンコ2022」。
Party Time
4皿目の"Party Time"で提供された4品はこちら。
左上:ロースト鴨(roast duck, marinated cabbage, duck sauce)
右上:ブラウンポテト(browned potatoes)
左下:豚胸肉とパセリソース(cracked pork breast, potato chips, parsley sauce, pickled parsley stalk)
右下:鴨コンフィ(confit duck leg, baked celeriac)
デンマークのクリスマス伝統的サイドディッシュ ブラウンポテト
このプレートはお肉、ソース、どのお皿もクオリティがとても高かったのですが、異彩を放っていたのがこのブラウンポテト。
口に入れたときびっくりしたのは甘さ。砂糖で甘くキャラメリゼされているのです。
この甘いブラウンポテトは、デンマークのクリスマス料理のサイドディッシュとして提供されることが多いそう。
甘い分味も濃いのですが、他の肉料理の箸休め的な感じとして個人的には最高の味わいでした。
ペアリングとして提供されたのは、フランスの「クリストフ・ブヴィエ ブルゴーニュ ルージュ ピノ・ノワール」。
Holy Night
5皿目"Holy Night"の4品はこちら。
左上:gammelknas candied orange
右上:den hvide dame shortbread
左下:rødløber marinated raisin
右下:drunken dog, figs
デンマークらしさを感じるチーズ
メイン料理の後に提供されたのがこのデンマーク産チーズ4種。
酪農王国としても世界的に知られるデンマークは、良質なチーズを数多く生産しています。
デザートの前に堂々とチーズのみを提供してくると言うのがすごいの一言。
もちろん、イチジク、レーズン、マーマレードなど各種チーズとの相性も抜群でした。
ペアリングで提供されたのは、フランスの「ミュスカ・ドゥ・リヴザルト 2018 ドメーヌ・プドルース」。
From SANTA
最後となる6皿目"From SANTA"の4品。
左上:ライスプディング(riz a l'amande)
右上:マンダリンソルベ(mandarin sorbet)
左下:レモン メレンゲパイ(lemon pie, meringues)
右下:マジパンケーキ オレンジクリーム添え(marzipan cake, oranges cream)
ニコライ・バーグマンも大好きなライスプディング
このプレートで注目なのはライスプディング。
ニコライさんの話によると、ライスプディングはデンマークのクリスマスには欠かせないもの。
デンマークでは、ライスプディングの中にアーモンドが1粒入っていて、それを食べた人はプレゼントをもらえるというクリスマスらしい風習があるそうです。
"From SANTA"に合わせて提供されたのは、デンマークで180年以上の歴史を持つ「A.C.パークス」の紅茶。
最初から最後までデンマークを感じさせる素晴らしいコース。
ニコライ・バーグマンだからできるアプローチ
今回参加した"Danish Christmas Dinner"で大きく感じたのは2点。
1点目は、想像以上に温かい雰囲気だったということ。
フレンドリーな接客や、ニコライ・バーグマンが手がけた緑溢れる店内装飾、ニコライ・バーグマンが話してくれたクリスマスに関するエピソードのおかげかもしれません。
「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア」でのディナーイベントに参加したのは初めてだったのですが、最後は家に招いてもらったような雰囲気を感じることもできました。
そして、もう1点は料理の質。
今回デザートを含む24種類の料理が提供されました。デンマークらしい食材もあれば、伝統的な料理もあったのですが、伝統を押しつけるわけでは無く、あくまでさりげなく、モダンに提供され、そしてどの料理も質が高かった。
腕を振るったシェフ"Kasper Kragelund"がフレンチ出身ということに起因しているのか、素材を活かす各種ソースも素晴らしかったし、それぞれのプレートとペアリングしたワインの相性もとても計算されていました。
デンマークの伝統的な料理をモダンなアプローチで広げていく、ニコライ・バーグマンだからこそできるイベントだと感じました。
「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア」では、これからも不定期ながらこのようなデンマークの伝統を感じることができるイベントを開催していくそうです。
気になった方は、是非下記のサイトをチェックしてみてください♪
「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア」アクセス
営業時間:10:00〜19:00
電話:03-5464-0824
住所:東京都港区南青山5丁目7−2
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