2019年12月末に日本公開となり、馬鹿さ加減がありながらも、音楽ファンを喜ばせる細かい音楽ネタ、そして主人公たちのひたむきさに元気をもらえることが話題になり、超ロングランヒットになったフィンランド映画『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』。
5年の歳月が経った2024年、ついに続編『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』が日本公開!!
ストーリー
ライヴ経験なし、オリジナル曲なしだったフィンランドのド田舎メタルコピーバンド、インペイルド・レクタム(直腸陥没)は活動12年目にして遂に生み出された史上最高の初オリジナル曲でノルウェーの巨大フェス、ノーザン・ダムネーションへ殴り込み、“終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”バンドへと脱皮したがその行いによって収監されていた。
獄中ドイツのメタルフェス、ヴァッケン・オープン・エアへの出演オファーを受けるも準備不足と投獄を理由に辞退、バンドは看守の目を盗み、牢屋で演奏するしかなかった。
だがギタリストの実家であるトナカイ粉砕場が経済トラブルで乗っ取り危機に瀕しているという緊急事態を察知したとき、彼らは脱獄を決意、出演料で実家を救うべくふたたび史上最高のオリジナル新曲を引っ提げ彼方のヴァッケンを目指す。
だが待ち受けていたのは今や商業主義の奴隷と化した超電導波デスボイスのベテランメタルバンド、ブラッドモーターと、バンドを食いものにする大物レコードプロデューサーのフィストという金の亡者が巣食う音楽業界だった。さらに後方からは直腸陥没逮捕に執念を燃やす、怒り狂えるノルウェーデルタ部隊のドッケン大佐が迫る。
そしてあろうことか、この大混乱でつい魔が差したメンバーの行動によりバンドに軋轢が発生した!危うし!直腸陥没危機一発!この絶体絶命の事態に直面した彼らを待ち受ける運命とは!?
前作からさらに磨きがかかった「奇抜なユーモアとカオスな展開」
『ヘヴィ・トリップ』の魅力といえば、全編を通して展開される笑いの要素。荒唐無稽な馬鹿馬鹿しさは、1作目で観客の心をわしづかみにしました。
本作でもこの奇抜なユーモアは各所にちりばめられています。「インペイルド・レクタム」のメンバー内のやり取りはもちろん、今回も追っ手役となり、地の果てまで追ってきそうなドッケン大佐、本作で新しく登場するベテランメタルバンドとのやりとりなど、『ヘヴィ・トリップ』らしいやり取りが満載です。
逃げて、追われて、常に危険にさらされる主人公たち。そこに笑いの要素がふんだんに盛り込まれたカオスな展開は、前作が好きな方は間違いなく楽しめるはずです。
個性的なキャラクターの登場!そして、あのBABY METALも!
本作では、前作で愛されたメンバーがさらに深掘りされ、それぞれのキャラクターが一段と魅力を増しています。特に、主人公のトゥロは、前作でも自分の弱さに気づき成長をしていきましたが、今回も自分の弱さを顧み、成長をしていくシーンも描かれています。
『ヘヴィ・トリップ』の良いところは、ただのお馬鹿映画ではなく、キャラクターにしっかり寄り添って描かれているところ。これがあるから心温まる作品に仕上がっているのです。
そして、アクの濃い新キャラクターも数多く登場しています。特にインパクトが強いのが、ベテランメタルバンド「ブラッドモーター」のボーカル。
ライブシーンでの迫力はもちろん、会話シーンのデスボイスでのやりとりなどは、メタルファンにはたまらないはずです。
また、今回特筆すべきは日本が世界に誇るメタルバンドの一つ「BABY METAL」が出演している点。
この手の作品で特別出演的なものだと、大抵数秒、ワンシーンだけでの出演となるのが普通ですが、びっくりしたのがしっかりと長い出演シーンになっていること。
そして、英語の台詞で「インペイルド・レクタム」のメンバーたちとの絡みもあり、しっかりと存在感を示します。ライブシーンも盛り込まれているので、BABY METALファンも必見です。
権威に抗うミュージシャンとしての姿勢
音楽は、CD販売、単独ライブのみならず、ビッグフェスが各地で開催され、巨大なマーケットになっています。本作でも、音楽を単なる消費されるだけの商品としか考えないマーケターが登場します。
バンドとして成功したいという想いと、今まで自分たちがやってきた音楽を崩したくないという想い。その葛藤も本作ではしっかり描かれています。
本作『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』のキャッチコピーは「長いクソに巻かれやがれ!」。
このコピーが語る意味は、本編を見終えると理解できるはずです。
「ヘヴィ・トリップ2」は、ただ単に笑える映画では無く、音楽業界ネタや、メタルに関する小ネタもちりばめらているので音楽ファンも存分に楽しめます。
そして主人公たちの成長や、前向きな姿勢から、観た後にはきっとエネルギッシュな気分になれるはず。
気になった方は、下記リンクや予告編をチェックして映画館にお出かけしてみてはいかが?
「『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』オフィシャルサイトはこちら」
『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』予告編
キャスト・スタッフ
製作:カイ・ヌールドベリ、カールレ・アホ
監督・脚本:ユッカ・ヴィドゥグレン、ユーソ・ラーティオ
出演:ヨハンネス・ホロパイネン、マックス・オヴァスカ、サムリ・ヤスキーオ、チケ・オハンウェ、
アナトーレ・タウプマン、ヘレン・ビースベッツ、ダーヴィト・ブレディン、JUSSI69、
SU-METAL (BABYMETAL)、MOAMETAL (BABYMETAL)、MOMOMETAL (BABYMETAL) 他
字幕翻訳:堀田雅子 字幕監修:増田勇一 後援:フィンランド大使館
共同提供:キングレコード+スペースシャワーネットワーク 宣伝:HaTaKaTa 配給:SPACE SHOWER FILMS
【2024年|フィンランド映画|96分|カラー|スコープ|DCP|原題:HEAVIER TRIP】
© 2024 Making Movies, Heimathafen Film, Mutant Koala Pictures, Umedia, Soul Food
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