北欧ジャーナリストとして活躍し、多くの北欧関連の著作を手がけてきた森百合子さん。
その最新刊『待ちあわせは北欧で』(大和書房刊)の出版記念トークイベントがコレド室町テラスの「誠品生活日本橋」で開催され、LifTe編集部も参加してきました。
会場には森さんのファンや北欧好きの方々が集まり、投影されたスライドには、エッセイに登場する“ちょっと心が緩む”ような、北欧の日常のワンシーンが、スライドで次々と映し出されました。
森さんだから見える、北欧の日常の優しさ
これまでの著作が観光スポットやお店情報を丁寧に紹介するガイドブック的な内容だったのに対し、今回の『待ちあわせは北欧で』は、もっとあたたかく、もっと個人的な“北欧の空気”に寄り添ったエッセイ。
長年、何度も北欧を訪れ、現地に知り合いも多い森さんだからこそ描ける、旅先でふいに訪れる心のゆるみや、人とのふれあいの中に生まれるぬくもり、日常にある静かな感動──。
読む人の心をふっとほどいてくれるような物語が、この一冊にはたくさん詰まっています。
“文字で描かれた旅”を、写真と行き来しながら味わう
今回のエッセイには写真が使われておらず、文章だけで北欧の旅が描かれています。
だからこそ、トークイベントではスライドで投影された実際の写真が“補完”として大きな役割を果たしていました。
エッセイに登場する場面が、写真とリンクするように紹介される構成はまさに“本と写真を行き来する”ような体験。
すでに本を読んでいた参加者からは、「あのシーンがこの写真だったんだ!」と感嘆の声が漏れ、物語の奥行きがより鮮やかに浮かび上がってきました。
エッセイのなかで描かれているのは、旅先での計画外の出来事や、誰かとの何気ない会話、食卓のぬくもり。
それらが写真とリンクしたとき、本の世界がふわっと立体的に立ち上がる──そんな、読後の余韻を深めてくれる素晴らしいトークイベントでした。
今回会場に来られなかった方も、森さんのInstagramで、本書にまつわる写真やイベントの様子が一部紹介されています。
ぜひ本を手に取りながら、写真と照らし合わせて“北欧の空気”を追体験してみてください。
旅の計画がなくても、ページをめくれば、心が北欧に向かう。
『待ちあわせは北欧で』をめくる時間が、あなたの日常にも小さなやさしさを運んでくれるかもしれません。
書籍概要
書名 :待ちあわせは北欧で
著者 :森 百合子
発売日:2025年4月12日
判型 :文庫判
頁数 :304ページ
定価 :840円+税
森百合子(もり・ゆりこ)
ライター、エッセイスト。北欧のガイドブックや旅エッセイ、インテリアやライフスタイルを中心に執筆。講演やメディア出演、イベント企画など幅広い活動を通じて北欧の魅力や面白さを伝える。近著は『探しものは北欧で』(だいわ文庫)『日本で楽しむ わたしの北欧365日』(パイ インターナショナル)。『3日でまわる北欧』シリーズ(トゥーヴァージンズ)、『北欧のおもてなし』(主婦の友社)など。北欧の食器とテキスタイルの店『Sticka スティッカ』も運営。
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