2025年6月4日、ヘルシンキのランドマークであるフィンランディア・ホールで、待望の常設展「フィンランディア展」がスタートしました。
フィンランド建築やデザイン、そしてこの国に息づく精神性を象徴する特別な場所が、新たな文化の発信地として、あらたな一歩を踏み出しています。
フィンランディア展 ― アアルトをめぐる物語のはじまり
今回の展示は、フィンランドらしさの本質にふれる、体験型のストーリー展示です。
観て、聴いて、歩いて、感じて――五感を使いながら、来場者はひとつの物語の中へと誘われます。テーマとなっているのは、「自然との共生」「人間性の探究」「創造する力」。
それは、フィンランドという国が大切にしてきた価値観そのものでもあります。
展示の中心には、フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルト、そして彼の人生と創作を支えた2人の女性、建築家で最初の妻・アイノ・アアルト、後にパートナーとなったエリッサ・アアルトの存在があります。
この展覧会では、彼らの作品や人生を通して、「創造」や「感性」、そして「家族」や「パートナーシップ」といった、普遍的で深いテーマが描き出されています。
会場では、図面や模型、写真、未公開の資料などが展示されており、アアルト夫妻が生きた時代の空気を感じられる空間が広がっています。
さらに、今回は家族生活についてもこれまで以上に深く紹介されており、アイノとアルヴァの孫であるヘイッキ・アアルト=アラネン氏が、家族アルバムから100枚以上の貴重な写真を提供しています。祖父母の暮らしぶりがうかがえる、心あたたまるショットも並びます。
アアルト=アラネン氏は、こう語っています。
「本展は、これまでのアアルト展とは異なります。アイノとアルヴァ・アアルトを、世界的な近代化の中で活躍した、国際的で才能あふれる建築家、そしてひとりの人間として描いています。2人は、フィンランドがどのように世界の文化を受け入れ、また世界からどう認識されてきたかという点にも、大きな影響を与えました」。
新しく生まれ変わった「フィンランディア・ホール」
フィンランディア・ホールは、ヘルシンキ中心部に位置する、世界的にも評価の高い会議・イベント・文化施設です。建築・デザイン・機能性・空間の美しさが一体となり、唯一無二の魅力を放っています。
2025年からは、新たに宿泊施設やレストラン、デザインショップを備え、さらにアアルト夫妻の作品とフィンランドらしさをテーマにした体験型の常設展も加わりました。
また、2025年末までは、木造のユニークなイベントセンター「リトル・フィンランディア」もオープン中です。自然に囲まれたロケーションには、心地よいカフェとテラスも併設され、観光客はもちろん、地元の人々にとっても憩いの場となっています。
北欧の美意識と人のぬくもりを感じに、ぜひフィンランディア・ホールへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
👉「フィンランディア・ホール」オフィシャルサイトはこちら(フィンランド語)
「フィンランディア・ホール」アクセス
■営業時間:9:00〜20:00
■定休日:日曜日
■電話: 358 9 40241
■住所:Mannerheimintie 13 e, 00100 Helsinki, フィンランド
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