フィンランドの首都ヘルシンキには、ユニークで魅力的なバーが数多くあります。
洗練されたクラフトビールを楽しめる場所から、カクテルが自慢のスタイリッシュなバーまで、さまざまな選択肢が揃っています。
今回は、編集部が実際に訪れた中から、特におすすめの4つのバーをご紹介します。それぞれが異なる個性を持っており、ヘルシンキのナイトライフを存分に楽しめるはずです。
クラフトビールとウイスキーが楽しめる醸造所バー「Teerenpeli(テーレンペリ)」-MAP①

「テーレンペリ」は、クラフトビールとウイスキーを愛する人々にとって必訪のスポットです。フィンランド国内に数店舗展開している人気の醸造所兼バーで、ヘルシンキの中心部に位置するこちらの店舗は特に賑わっています。
「テーレンペリ」一番の魅力は、何と言っても自社醸造のクラフトビール。ずらりと並ぶタップの数にテンションが上がります!

この日はクラフトビールの試飲セット(ビアフライト)を注文。
ライトなペールエールから、どっしりとしたダークビール、ホップが効いたIPAまで、バリエーション豊か。
飲み比べながらお気に入りの一杯を見つけるのが楽しい!

「テーレンペリ」は、クラフトビール以外にも、ウイスキーの蒸溜も行っています。
カウンター横の冷蔵ショーケースには、受賞歴のある「KASKI」や「10年熟成」など、堂々たるボトルたちがずらり。テイスティングメニューもあるので、じっくり飲みたい派にもおすすめ。
スモーキーで奥深い香りが、北欧の冷たい空気にぴったり。クラフトビールの後に、ちょっと贅沢な気分でウイスキーを楽しむのも◎

フィンランド産クラフトビールを楽しむなら「Juova Hanahuone(ユオヴァ・ハナフオネ)」-MAP②

さまざまな醸造所のクラフトビールを楽しみたい人におすすめめなのが「ユオヴァ・ハナフオネ」。
店名になっている"Hanahuone"はフィンランド語で"タップルーム"の意味。
カウンターには、その名に恥じない、なんと28本のビールタップがずらりと並んでいます!
さらに冷蔵庫には缶・ボトル含めて数百種類ものクラフトビールが勢揃い。

この圧倒的で豊富なラインナップは、複数のフィンランドのマイクロブルワリーが力を合わせて運営していることによって実現しています。

参加しているのは、以下のような個性豊かなフィンランドのブルワリーたち:
■Olarin Panimo(オラリン・パニモ):大胆なデザインとIPAが人気/ヘルシンキ
■Maistila(マイスティラ):実験的で独創性あふれるスタイルが魅力/オウル
■CoolHead Brew(クールヘッド・ブルー):サワービールの名手/ヘルシンキ
■Tuju(ツユ):ビール通に刺さる挑戦的な味/ラッペーンランタ
■Mallassepät(マラッセペット):伝統的ながら遊び心あるレシピ/ナーンタリ
■Tired Uncle Brewing Co.(タイアード・アンクル・ブルーイング):ユーモアの効いたネーミングが光る/エスポー
■ETKO Brewing(エトコ・ブルーイング0:洗練されたモダンスタイル/ケラヴァ
これらのビールが、常にフレッシュな状態でタップから楽しめるのは、まさにこのお店ならではの特権です。
カウンターでは、ビールの知識豊富なスタッフがその日のおすすめを丁寧に案内してくれるので、初心者でも安心。
ビアフライト(飲み比べセット)も用意されており、気軽にいろんな銘柄を試せるのも嬉しいポイントです。

スタッフの方に、苦みの少ない面白い味のビールのお薦めは?と聞いて薦めてくれたのは、「Tuju(ツユ)」 の「Kolme Simpukkaa(コルメ・シンプッカ)」というビール。
画像を見ても分かるように、ビールはかなり白っぽく濁っていて、まるでトロピカルジュースのような見た目です。
これは「ヘイジー(にごっている)」と呼ばれるスタイルで、ニューイングランドIPA(NEIPA)に多く見られます。
苦みは強くなくて、口当たりはとてもなめらか。ドライすぎず、ほんのり甘みが残るので、ビールが苦手な人でも飲みやすい味わいでした。

次にいただいたのは、ディスカウント価格で提供されていた缶ビール。先ほど紹介した「ツユ」の「Fest Nutrition」と名付けられたビール。
このビールは、ドイツ・ミュンヘンのオクトーバーフェストで提供される伝統的なスタイルをイメージして造られているとのこと。
ほどよい苦みとすっきりとした後味で、とても飲みやすい一杯でした。

空港の搭乗口をイメージしたこのバー「Gate A21」-MAP③

ネオンの看板が輝く「Gate A21」は、“空港の搭乗口”をテーマにしたバー。
店内に入るとまず目を引くのが、バーカウンターの上に吊るされた小型飛行機。ディスプレイとは思えないほど精巧で、まるで今にも飛び立ちそうな存在感があります。
天井にはシャンデリアのよう空き瓶がずらりと連なる圧巻のインテリアが施され、ネオンの光が反射して空間全体を幻想的に演出しています。

ずらりと並ぶタップが目を引くカウンター。
このバーは、本格的なカクテルはもちろん、フィンランド産のウィスキーやジンも豊富に揃うことで知られています。そしてもちろん、クラフトビールのセレクションにも定評あり。
その日の気分や好みに合わせていろいろなお酒が楽しめる中、今回はあえてクラフトビールをチョイス。

選んだのは、ドクロマークのデザインがインパクト大なビール「OLARI “RAIDERS”」(West Coast IPA 5.3%)。
実際に飲んでみると、柑橘系の香りが華やかに広がり、シャープな苦みが効いたIPA。ボディは軽めで飲みやすく、ラベルのワイルドな印象とのギャップもクセになる一杯でした。
「OLARI(オラリ)」は、フィンランド・エスポー発の人気マイクロブルワリー。地元でもファンが多く、クラフトビールシーンを語るうえで外せない存在です。

次に選んだのは、ヘルシンキの東にある地域ラッペーンランタにあるブルワリー「Tuju(ツユ)」 のビール「Pyöveli(ピョヴェリ)」。
Pyöveliはフィンランド語で「処刑人」や「死刑執行人」の意味で、その名の通り、重厚で力強い印象のインペリアルスタウトです。
見た目は濃い漆黒色で不透明、トップには茶色がかったクリーミーな泡が立ち、ビジュアルからして圧倒的な存在感。
味わいは、しっかりとした苦みと深いコクがあり、アルコール度数9.2%の強さを感じさせながらも、どっしりと飲みごたえのある仕上がりです。
寒い冬の夜に、じっくりと時間をかけて味わいたくなる、そんな一本でした。

カルフがテーマの「Minuuttibaari(ミヌッティバアリ)」で、電車を眺めながら一杯 -MAP④

「ミヌッティバアリ」は、2023年にヘルシンキ中央駅内にオープンした、フィンランドを代表するビールブランド「カルフ(Karhu)」をテーマにしたユニークなバー。

内装にはカルフのロゴやイメージカラーが取り入れられており、フィンランドらしい雰囲気を存分に楽しむことができます。
駅構内に位置し、ホームが目の前に見えるため、電車を眺めながらリラックスしてビールを楽しむことができるのも、このバーの魅力の一つです。

店名の「Minuuttibaari」は、フィンランド語で「分(minute)」を意味する「Minuutti」と「バー(bar)」を意味する「Baari」を組み合わせた言葉で、短時間で気軽に立ち寄れるバーであることを表現しています。
その名の通り、回転が良いのも特徴で、奥の席が満席であっても少し待てばすぐに座ることができるため、忙しい通勤者や旅行者にも最適です。
このバーでは、地元のクラフトビールやフィンランド産のスピリッツを提供しており、軽食やおつまみも楽しむことができます。
旅の途中での一息や、電車を待つ合間にぴったりのスポットとして、多くの利用者に支持されています。
ヘルシンキには、それぞれに個性が光るバーが点在しています。
旅の目的やその日の気分に合わせて訪れる場所を選べば、きっと心に残る一杯に出会えるはず。
ヘルシンキで自分だけの“とっておきのバー”を見つけてみてください。
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