2024年冬の北欧取材12日目・後編。
午後は、「ラヴィントラ・カモメ」で名物のシナモンロールをテイクアウトし、森と湖に囲まれた「クーシヤルヴィ・サウナ」へ。
薪で温めるスモークサウナと、凍った湖へのアヴァントで、心も体もじっくりととのえました。
夜はカッリオの人気店で、クラフトビールとバーガーを味わい、静かな満足感に包まれた一日となりました。
👉【2024 北欧旅日記 12日目】ヘルシンキ〈前編〉はこちら
ヘルシンキの名所「ラヴィントラ・カモメ(Ravintola Kamome)」-MAP①

映画『かもめ食堂』の舞台となった、言わずと知れたこのレストランは、今もなお多くの観光客が訪れる人気スポット。
店内に一歩入ると、あの映画の空気感が残っていて、日本人のみならず、地元フィンランドの人々にも親しまれています。

店内はあたたかみのある木の家具に囲まれ、自然光がやさしく差し込む落ち着いた雰囲気。
日本人観光客にも安心の日本語メニューがしっかり用意されていて、初めての方でもスムーズに注文できます。

料理以外にも注目したいのは、テーブルに並ぶペーパーナプキンやボトルのデザイン。
かもめのロゴがあしらわれたアイテムはどれも可愛らしく、思わず写真に収めたくなるほど。ちょっとしたディテールにも心が躍ります。
森と湖に抱かれる「クーシヤルヴィ・サウナ(Kuusijärvi Sauna)」-MAP②

ラヴィントラ・カモメでのほっとする時間を終えたあとは、少し足を延ばして、フィンランドらしい自然に囲まれたサウナ体験へ。
「このサウナを知らずして、フィンランドを語るなかれ」。
そんな言葉が本気で通じてしまう場所があります。
それが、この「クーシヤルヴィ・サウナ」。
ヘルシンキ中心部から車でおよそ30分。ヴァンターの森と湖に包まれるように佇むこのサウナは、地元の人々から絶大な支持を集める“フィンランドの聖地”とも言える存在です。
観光ガイドには大きく載っていなくても、「本当のフィンランドを体験するなら、まずここへ」と語るサウナ通も多く、国民的な誇りを感じさせる空気が漂っています。
サウナ前の腹ごしらえ

サウナを体験する前に、まずは腹ごしらえ。
実はサウナって、思っている以上に体力を使うので、しっかり食べておくことがとても大切なんです。
今回お腹を満たしてくれたのは、道中に立ち寄った「ラヴィントラ・カモメ」のシナモンロール。
表面はほんのりカリッと、中はしっとりもっちり、手のひらサイズながらもずっしりとした食べごたえ。
バターとシナモンの風味がたっぷり詰まっていて、サウナ前のエネルギーチャージにはぴったりの一品でした。
多彩なサウナ体験

腹ごしらえを済ませたら、すぐにサウナ本番へと突入します。
まず挑戦したのは、男女別の電気式サウナ。改装されたばかりの開放的な空間には、清潔でゆったりとしたベンチ配置と外気浴スペースが整っており、サウナ初心者でも安心してリラックスできます。

そして、写真に写る小屋群は、3棟ある薪スモークサウナの一角です。よく見ると、小屋の屋根からは煙突越しにうっすらと白い煙が立ちのぼっています。
そう、これこそが「スモークサウナ(savusauna)」の証。煙で室内をじっくりと温める、伝統的で柔らかい熱のサウナなのです。
木のぬくもりが感じられる中〜小サイズの棟には、それぞれ熱さや雰囲気の違いがあり、地元の常連客たちは混雑具合や体調を見ながら使い分けている様子。
スモークサウナは男女混合・水着必須なので、旅人でも安心して楽しむことができます。
ちなみにこのスモークサウナの香りは、“これが一番好き”というフィンランド人も多く、なんと現地のドラッグストアには「スモークサウナの香り」のシャンプーまであるほど。
まさに国民にとって特別な香りなんです。
サウナの締めくくりは「アヴァント」

サウナの仕上げといえば、やっぱりこれです。
冬のクーシヤルヴィ湖での"アヴァント(氷穴ダイブ)"。
湖を囲む森の静けさ、そして氷の水に身を沈めた一瞬に訪れる“無”の感覚。まさに五感が研ぎ澄まされ、心と身体が一気にリセットされていく究極のととのい体験です。
ヘルシンキ周辺には、いくつかスモークサウナを体験できる施設がありますが、森と湖に包まれながら、薪の香りとともに“公共サウナ”を楽しめる場所としては、クーシヤルヴィ・サウナはまさに唯一無二の存在。
商業施設とはひと味違う、“日常に溶け込んだサウナ文化”を肌で感じたいなら、迷わずここがベストスポットです。
もうひとつのととのい「クラフトバーガー」-MAP③

クーシヤルヴィでの極上サウナ体験のあとに立ち寄ったのは、かつてカッリオ地区にあったバー「The Cave(ケイヴ)」。
コンクリートと石材を組み合わせた無骨でモダンな内装に、ネオンライトやアートが彩りを添える空間は、ローカルと観光客が自然に混じり合う、独特の心地よさに包まれていました。
バーカウンターにはクラフトビールのタップがずらりと並び、手描きのチョークボードが印象的。カジュアルながらもセンスの光る、まさに“カッリオらしい”空間でした。

今はもう閉業してしまったこの場所で味わったのは、エスポー発の人気ブルワリー「Fat Lizard」の〈Track Day Session IPA〉と、こだわりのバーガー。
香り豊かなホップが心地よく、サウナのあとには最高の一杯です。
厚切りポテトと一緒に頬ばれば、サウナで空っぽになった身体にじんわり染みわたる、この上ない幸せ!
The Caveは、クラフトビールやインディー系のカルチャーが根づく、“ローカル×モダン”な今のヘルシンキを象徴するような一軒でした。
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