日本における北欧の暮らしの象徴ともいえる存在「イケア」。
その日本進出から20年という節目を迎えた今、あらためてブランドの原点や、日本の暮らしとどのように向き合ってきたのかに注目が集まっています。
今回、千葉・船橋のIKEA Tokyo-Bayで開催された20周年記念イベントでは、「Happy to be home」をテーマに、これまでの歩みとこれからの展望が語られました。
北欧の価値観をベースにしながら、日本の暮らしに寄り添ってきた20年。その背景にあるストーリーを、現地の様子とともに紐解いていきます。
20年の歩みと現在、そして未来に向けて

イケア・ジャパン代表取締役社長兼Chief Sustainability Officer ペトラ・ファーレからは、20周年という節目にあたり、これまでの歩みとこれからの展望について語られました。
今回のテーマは「Happy to be home」。
日本での20年の歩みは、顧客や地域、パートナーとともに築いてきたものだとし、「ここに集まるすべての人と、この節目を迎えられることに感謝したい」と述べました。
イケアの原点は、1943年にスウェーデンで創業者イングヴァル・カンプラードによって掲げられた「より多くの人々に、より良い毎日を」というビジョンにあります。
この考え方は現在も変わらず、シンプルさや共に過ごす時間を大切にする価値観として、ブランドの根幹を支えています。

日本進出にあたっては、暮らし方の違いを深く理解するため、100以上の家庭訪問や4万枚以上の住空間の写真調査を実施。
その知見をもとに、日本の暮らしに寄り添った商品や提案が生まれてきました。
現在もその姿勢は変わらず、顧客とともに「暮らし」を共創するパートナーとして、よりサステナブルでインクルーシブな未来を目指していくといいます。
IKEA Tokyo-Bayでの20年

20周年を迎えたIKEA Tokyo-Bay。その節目のイベントでは、IKEA Tokyo-Bay マーケットマネージャーの大堀由紀子氏がこれまでの歩みと、この場所が持つ特別な意味について語りました。
IKEA Tokyo-Bayは、日本で初めてお客様とのストーリーが始まった場所であり、店舗機能だけでなくカスタマーサポートセンターや本社機能も備えた、日本における中核拠点でもあります。
会場では、2005年の地鎮祭の際に贈られた記念の枡も披露され、20年という時間の積み重ねを感じさせる一幕も。
大切に保管されてきたその品には、当時の日付が刻まれており、IKEA Tokyo-Bayの歴史の始まりを静かに物語っていました。
また、オープン前にはIKEAらしい象徴的な出来事もあったといいます。
工事前、土ぼこり対策として芝生の種をまいたところ、そこに渡り鳥が飛来し、この場所で子育てを始めました。
その状況を受け、「人と地球を大切にする」という価値観のもと、鳥たちが巣立つまで工事を延期するという決断をしたといいます。
こうした背景もあり、オープン初日にはその想いに共感した多くの人々が来店し、約3万5,000人が訪れる大きなスタートとなりました。

現在、IKEA Tokyo-Bayでは328人のコワーカーが在籍し、そのうち44人がオープン当初から働き続けています。
大堀氏は「地域やお客様とのつながりの中で歩んできた20年を、皆さまと共に迎えられることを誇りに思います」と語りました。
20周年の祝意と地域とともに歩むイケア・ジャパン

船橋市長の松戸徹氏も登壇し、IKEA Tokyo-Bayと地域との歩みを振り返りました。
2006年に日本第1号店としてこの地にオープンしてから20年という節目を迎え、「市としてもこの20年を共にお祝いできることを大変嬉しく、誇りに思います」と語ります。
松戸市長自身も、オープン当時は市の職員として現場に立ち会っており、開業セレモニーで丸太をノコギリで切った体験が今でも強く印象に残っているといいます。
また、近年では船橋市とIKEAが包括連携協定を結び、サステナビリティに関する取り組みを行政と企業が連携して進めていることにも触れ、「IKEAの取り組みから学び、それを市の環境施策にも活かしている」と、その影響の広がりについて言及しました。
さらに、プライベートでもIKEAとの関わりがあると明かし、「20年以上前に購入した昇降式テーブルを今でも使っている。当時それで遊んでいた子どもが、いまでは社会人になっている」と、暮らしの中に根付く存在としての一面も紹介。
店内で見られる家族連れや若者、高齢者まで幅広い世代の姿に触れながら、「IKEAは多くの人にとって、日常の中に楽しさや会話を生み出す場所になっている」と語りました。
最後に、「IKEA Tokyo-Bayは船橋市にとってのランドマークのひとつ。これからも連携を深めながら、より良い未来を共に築いていきたい」と締めくくりました。
イケア・ジャパン20周年アニバーサリーキャンペーン!

アニバーサリーコレクション「AURTIENDE/アウルティエンデ」
イケア・ジャパンのGrowth and Marketing Manager、ニコラス・ジョンソン氏からは、20周年キャンペーンの全体像が語られました。
今回のテーマは「Happy to be home」。住まいは単なる場所ではなく、「幸せが始まる場所」であるという考えのもと、この20年で生まれた思い出やストーリーを、全国のストアを通じて体験できる企画が展開されます。
キャンペーンの背景には、スウェーデンの文化に根ざした“共に作る”という価値観があります。
スウェーデンでは、畑から石を取り除き、それを積み上げて壁をつくることで土地を整えてきた歴史があり、この「ストーンウォール」は協力や持続可能性の象徴とされています。
今回の20周年プロジェクトでも、コワーカーや地域コミュニティから集まったアイデアをもとに、共創型のキャンペーンが企画されました。
全国から60以上のアイデアが寄せられ、「IKEAにはたくさんのストーリーがある」という想いが形になっています。

店頭では、限定コレクションやフード、体験型のアクティビティなどが展開され、「一日楽しめる場所」としてのIKEAの魅力が詰め込まれています。
また、東京のストリートカルチャーに着想を得た20周年記念コレクションも登場。
日本とスウェーデン、両方の文化が交差するようなデザインも見どころのひとつです。

ポケモンの新作ゲーム『ぽこ あ ポケモン』とのタイアップ
イケア・ジャパン Country Marketing Manager パトリツィア・リガッシ氏からは、ポケモンの新作ゲーム『ぽこ あ ポケモン』とのコラボレーションの背景について語られました。
イケアではこれまで、「人々の暮らしへの好奇心」と「共に創ること」を大切にしてきたといいます。今回のプロジェクトも、その価値観をもとに生まれました。
ポケモンは30周年、IKEAジャパンは20周年と、それぞれ節目を迎える中で実現した今回のコラボレーション。
両者に共通するのは、「人々をつなぎ、日常の中に楽しさや創造性を生み出す」という考え方です。
「遊び心のある暮らしは、ウェルビーイングや創造性を高め、自分らしく過ごせる時間を育む」と語り、今回の取り組みを通じて、“楽しい暮らし”の可能性を広げていきたいとしています。
👉「『ぽこ あ ポケモン』とのタイアップ」を詳しく紹介した記事はこちら

シブヤフォントとのコラボレーション - インクルーシブな20周年デザイン
イケア・ジャパン20周年プロジェクトを担当する村上美貴氏からは、店内で体験できる『ぽこ あ ポケモン』ルームセットや記念ビジュアルについて紹介がありました。
店内には、キャラクターをイメージしてデザインされたルームセットが登場。ピカチュウをモチーフにした空間は、明るく開放的で、家族や友人と過ごす時間を楽しめるような構成に。
一方で、カビゴンをイメージした空間は、ベッドを中心に据えた落ち着いたレイアウトで、リラックスした時間を過ごせる居心地の良さが印象的でした。
それぞれの空間には、遊び心だけでなく、日々の暮らしに取り入れられるヒントも散りばめられており、IKEAらしい「楽しい暮らし」の提案が感じられます。

また、20周年のキービジュアルは、障がいのある方とデザインを学ぶ学生が共に制作する「渋谷フォント」とのコラボレーションによって誕生しました。
ワークショップを通じて生まれた多彩なモチーフには、ダーラナホースや住まいのかたちなど、スウェーデンの文化を感じさせる要素も取り入れられています。
多様な人々が関わりながら一つのデザインをつくりあげるプロセスそのものが、「誰もが自分らしく暮らせる社会」を目指すIKEAの姿勢を体現しているようでした。

20周年バースデーパーティ
IKEAフードを担当する菊池武嗣氏からは、スウェーデンの食文化とともに歩んできた20年の歩みが紹介されました。
IKEAでは1960年代から店舗にレストランを併設し、家具だけでなく“食”を通じた体験も大切にしてきました。日本でも1号店であるIKEA Tokyo-Bayのオープン当初から、スウェーデンの国民食であるミートボールを提供しています。
特徴的なのは、クリームソースに加え、甘酸っぱいリンゴンベリージャムを添えて味わうスタイル。現在では広く親しまれているこの食べ方も、オープン当初は驚かれることが多かったといいます。
その後、時代の変化に合わせてメニューも進化。ベジボールやプラントボールといった植物由来のメニューが登場し、2026年には新たにファラフェルボールも加わるなど、より多様な食の選択肢が広がっています。

さらに20周年を記念し、4月18日(土)にはIKEA Familyメンバーを対象として、ミートボールなど4種類のボール料理の食べ放題や、スウェーデンの伝統的な「プリンセスケーキ」も登場する特別イベントが開催される予定で、現地の食文化をより身近に楽しめる内容となっています。
20年という時間の中で、単なる家具ブランドにとどまらず、「暮らしを楽しむ場所」として日本に根付いてきたイケア。
そこには、スウェーデンの価値観である“シンプルさ”や“共に過ごす時間の豊かさ”、そして人や地域とともに未来をつくっていくという姿勢が、変わらず息づいています。
これからの20年もまた、日々の暮らしの中に小さな楽しさや心地よさを届けながら、新たなストーリーが生まれていくはず。
「家で過ごす時間」がより大切になる今だからこそ、イケアが提案する“Happy to be home”という考え方は、これからの暮らしのヒントになってくれそうです。
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