「28億年前」と言われて皆さんは想像がつくでしょうか?
人類が誕生したのは370万年前と言われ、恐竜が存在していたのは2億5000万年前、それよりもずっと昔、その頃はようやく光合成をする生物が現れた頃の時代です。
そんな遥か昔の天然石から作られるフィンランドのアイテムがあります。
日本車販売からフィンランド製品販売への転身
フィンランドのHUKKA DESIGN(フッカ デザイン)が、作り出す様々な商品は、「カレリアン・ソープストーン」という28億年前に生成された天然石が元になっています。
今回は、HUKKA DESIGNの代表でもある"Seppo Rajas"さんにお話を聞きました。
ーこのHUKKA DESIGNはいつから展開されているのですか?
1985年にフィンランドで事業を開始しました
ーRajasさんは、それ以前は何のビジネスをされていたんですか?
日本のマツダ(車)を輸入して販売をしていました(笑)
ー車の販売から、フィンランドアイテム販売への展開は随分違う世界のような気がしますが、どのような経緯があったんですか?
実は、当時私の友人から誘いを受けて、このHUKKA DESIGNを始めたんです。残念なことに、その友人は他の会社に行ってしまったため、私がこの会社を引き継ぐことになったんです。
冷たいものをずっと冷たく、温かいものをずっと温かいままで!
ー28億年前の天然石を使用されていますが、どのような特徴なのでしょうか
これはフィンランドの北東部のカレリアン地方で採掘される「カレリアン・ソープストーン」と言われるもので、実は「ソープストーン」というのは世界で200種類以上あるのですが、このフィンランドの北東部のカレリアン地方で採掘される「カレリアン・ソープストーン」のみが、極めて高密度の天然石で、熱や冷たさを長時間蓄える性質を持っているんです。
ービアグラスやワインクーラーが生まれた理由がここにあるんですね
そうですね、冷たいものを長い間冷たいままで飲みたい、その想いを形にしたつもりです。もちろんその逆で温かいものを、長く温かいまま食べたい、そんな想いで作られたフィッシュプレートなどもあります。
デザインは全員で決める
ーデザインがシンプルでかつ様々なバリエーションがあるようにお見受けしますが、どのようにしてデザインは作られていくんでしょうか?
我々は、特定のデザイナーというよりも私を含め、事務をやっているもの、輸出をやっている者、国内販売を行っている者達で週に2回ミーティングを行って、全員でデザインを決定していきます。
ーなぜそのようなスタイルなのでしょうか?
「HUKKA DESIGN」はフィンランド以外に、世界26か国で販売がされています。全く風土、カルチャーが違う国で販売していくためには、我々は様々な役割で「HUKKA DESIGN」に関わる人間が一緒にデザイン構築した方が、より多様性を保てると思っているからです。
ー日本のマーケットはどんなイメージがあるでしょうか?
日本は我々にとって重要な場所です。多くの方が我々が作る「モノ」を、実に真剣に見て頂けます。我々のインスピレーションの場にもなっていて、日本の風土から作り出したSAKEグラスやSAKE徳利も生まれました。
ロゴを作ったのは日本人!?
そして日本が大事な場所として考えている理由がもう一つあります。
ーそれは何でしょうか?
「HUKKA DESIGN」のロゴです。
昨年も日本で開催された「インテリア ライフスタイル展」に出展しましたが、その時に出会った日本人デザイナーの中矢茉貴(なかや まき)さんが手がけてくれたものです。
オーロラと木、そして小さく狼があしらわれています。
"HUKKA"とはフィンランド語で狼の意味があるんです。
自然と共存するフィンランド、そして「HUKKA DESIGN」をとても良く表現してくれているロゴだと思っています。
このロゴは日本のみの展開ではなく、世界共通のユニバーサルデザインとして使用しています。
インタビューを終えて
天然石から作り出される柔軟性
特定のデザイナーで縛ることなく、展開する国々のマーケットをしっかり見ながら、需要を掘り下げて現地のリクエストも取り入れながら商品を作り出していく。デザイナーを前面に押し出すブランドが多い中、この姿勢は新鮮に映りました。
そして、実利的な商品もありながら、インテリアとしても使える可愛らしい小物も作ってしまう。
「型にはまることなく、柔軟に物事を考える」
HUKKA DESIGNを始める前はマツダの車を販売していて、全くの異業種に舵を切ったRajasさん。彼の生き方がHUKKA DESIGNの商品を作り出す原点だと感じました。
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