|元々は学校だった 歴史を感じる建物
ヘルシンキ中央駅から徒歩で15分程度、トラムを乗り継ぐと10分程度の場所にあるのが「デザインミュージアム」。
元々この建物は、1873年に設立された学校。美術や工芸の学校だったため、当初から多くの関連するコレクションがされ、1978年にデザイン・ミュージアムとして一般公開されました。所蔵するコレクションは膨大な量で、フィンランドデザインのクラシックから最先端まで集まると言っても過言ではない場所で、1階は常設展、2階は企画展になっています。
|フィンランドデザインの歴史を作った巨匠達
1Fは6つのエリアに分かれていますが、「ライフスタイル」という言葉を作り出したとも言われるマリメッコ創業者Armi Ratia(アルミ・ラティア)、イッタラの名前を世界的に知らしめたとも言われるTapio Wirkkala(タピオ・ヴィルカラ)、そしてその妻でもあり芸術家としても知られるRut Bryk(ルート・ブリュック)、アートグラスの革命者としても有名なGunnel Nyman(グンネル・ニュウマン)、テキスタイル&ファッションデザイナーで、マリメッコのデザイン哲学を方向付けたとしても評されるVuokko Eskolin - Nurmesniemi(ヴォッコ・エスコリン - ヌルメスニエミ)、現在はデザイナーの栄誉とも言われる賞の名前にもなっているKAJ FRANCK(カイ・フランク)、そして建築家、都市計画家、デザイナーと幅広い分野で一流として世界的に知られるAlvar Aalto(アルヴァ・アアルト)等が、彼らの代表作と共に展示がされています。
|あのサヴォイベースが出来るまでを観られる動画が秀逸!
特に目を引くのが、入り口入ってすぐにあるAlvar Aaltoのサヴォイベース。
1937年のパリ万国博覧会のためにデザインされたガラス器の傑作で、「世界で一番有名な花瓶」として知られています。彼が内装を手掛けたヘルシンキの「サヴォイ」というレストランに置かれたことから「サヴォイベース」と名付けられました。
このミュージアムが凄いところは、サヴォイベースを置いてあるだけではなく、当初使われていた木製の型も展示されている点、そして何よりもサヴォイべースが作られる過程をドキュメンタリーにした動画が上映されているところ。
わずか4分強の動画ですが、いかに多くの人がサヴォイベースを作るのに関わっているか、手仕事でここまでやっているのかというのが一目瞭然の出来です。是非北欧デザインが好きな方には観ていただきたい動画です。
|2F 企画展「CALIFORNIA designing freedom」
2Fは訪れる時期で展示内容が変わる企画展。今回のタイトルは「CALIFORNIA」。正直1Fを見るのに時間を割いたため、2Fの展示はそこまで期待は持っていませんでした。
展示スペースは1F同様とても広く、広告ポスターの変遷や、PCやスマートフォンなどの電子機器のデザイン変遷が展示されています。心を動かされたという展示ではなかったのですが、日本の現代に確かに入り込んでいるカリフォルニアを代表するアメリカのデザインを俯瞰してみることができるのは興味深く、そして時代に合わせてデザインを柔軟に変えていくアメリカのデザイン、その対極というか時代を超えて愛されるフィンランドデザインの対比が見て取れたということを考えると、良い企画展でした。
|フィンランドデザインの強さ
フィンランドデザインの凄さは、やはり人々の生活に寄り添って、さらにシンプルを追求するところだと感じます。まだまだフィンランドデザインを作り上げてきた人々は多いですが、フィンランドデザインに魅せられた方は、是非一度足を運んで欲しい場所です。
|アクセス
「Design museum(デザインミュージアム)」
住所: Korkeavuorenkatu 23, 00130 Helsinki,Finland
電話: +358 9 6220540
開館時間: 11:00~18:00(水曜日〜日曜日)
11:00~20:00(火曜日)
月曜日休館
Design museum official site
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