ノルウェーの世界自然遺産"フィヨルド"。フィヨルドはノルウェーの西部各地にありますが、特に有名なのが4大フィヨルドと言われている【ソグネフィヨルド】【ガイランゲルフィヨルド】【ハダンゲルフィヨルド】【リーセフィヨルド】の4つ。
本日10月14日は、「鉄道の日」ということで、ノルウェー第2の都市ベルゲンから、ベルゲン急行、そしてフロム鉄道に乗り、ソグネフィヨルドの玄関口と知られる小さな村、フロムを目指す鉄道旅をご紹介♪
まずはベルゲン急行で、乗り換え地点ミュールダール駅を目指す
ベルゲンからベルゲン急行に乗り、フロム鉄道の乗り換え地点"ミュールダール駅"に向かいます。ミュールダール駅まではおよそ1時間の旅。車窓も自然豊かな景観が続き、心を和ませてくれます。
ミュールダール駅は、ノルウェー各方面にでる電車の中継地となっていますが、乗り換えメインのため駅周辺の観光地はほとんどありません。ただ、様々な電車が行き交いするので、鉄道ファンにはたまらない場所です。
鉄道ファンだけではなく、多くの人を魅了する"フロム鉄道"
ミュールダール駅から、終点のフロム駅まで伸びているフロム鉄道は、世界有数の勾配を誇り(フロム駅は海抜0メートル、ミュールダールは海抜863.5メートル)、世界で最も美しい場所を走る登山鉄道の1つと称されることもあります。
実際に乗車すると、暖かい木目調の客室と、モニターから放映されるフロム鉄道の歴史は日本語でも流されていて、なんだかほっこりします。
フロム鉄道はどっちの窓を陣取ると良い?
両サイドが窓になっているのと、フロム鉄道は席を予約して乗車する形ではないので、空いている好きな席に座れます。この時、必ず出るのは、進行方向でどちらが良い風景なのかという話。
どちらの景色も見応えがありますが、一般論で行くと、フロム行きの場合は進行方向に向かって左側。ミュールダール行きの場合は進行方向に向かって右側サイドが見所が多い印象があります。
途中停車するショースの滝は必見!夏には妖精に会える!?
フロム鉄道の一つの見所となっているのは、このショースの滝。オンシーズンであれば、必ずここの駅に10分~15分停車をします。ここは道路も走っていない箇所で、このフロム鉄道でしかたどり着けない場所としても知られています。
夏場は落差225メートルを大量に流れ落ちる圧巻の風景を見ることができるらしいのですが、訪れた時期はまだ雪が残る時期だったので、わずかに雪解け水が落ちる様しか見ることができませんでした。
そして夏場にはこのショースの滝で、妖精(!)が踊る光景を目にすることもできるのだとか!
当日撮影した動画がこちらです。
風光明媚でフィヨルドに愛されたフロム
ミュールダールからおよそ1時間程度でフロムに到着します。フロム駅を降り立つとすぐ目の前に広がる圧巻のフィヨルド、そして静寂に心を打たれました。
ふと目を向けると、フィヨルド手前の広場に、ブランコや滑り台などの遊具が置いてあります。試しにブランコに乗ってフィヨルドに向かって漕いだら、今までのブランコで味わったことのない恍惚感を感じることができました。
フロムは人口わずか500人程度の小さな村ですが、このソグネフィヨルドの玄関口として観光客にとても人気のエリアです。小さな村ではありますが、観光客が訪れるべきスポットがいくつもあるところも特筆すべきところ。
【フィヨルドが一望できる絶景の"ステーガスタイン展望台"】
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まずはこちらの「ステーガスタイン展望台」。フロム駅から車で30分くらいの場所にある観光名所。山道をくねくね上った先に見えるのは、岩山から30メートルほど突き出た展望台。海抜600メートル以上の展望台から見たフィヨルドは、筆舌に尽くしがたいほどの絶景。
また、この展望台も景観を損なわないようなデザインに設えてあるのがとてもポイントが高い。フロムに訪れたら、必ず訪れたい場所です。
この驚きは写真より、動画の方が伝わるかもしれません。当日撮影した動画はこちら。
【ビール5種とペアリングが楽しめるヴァイキングメニューが素晴らしい!!「Ægir BrewPub(エーグル・ブリューパブ)」】
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フロムにはいくつもレストランがあるわけではないのですが、オススメしたいレストランが1つあります。それがフロム駅から徒歩数分の場所にある「Ægir BrewPub」。
宿泊先でもオススメされたので、気分を高まらせて訪れるとなんと満席状態。レストランは1Fと2Fに別れていて、1Fはドリンクだけ飲む人専用、フードも食べる人は2F席に案内されます。
仕方ないので、まずは1Fでビールを飲んで2Fに案内されるまで待ちます。1Fでも様々なクラフトビールが飲めますし、生ビールを注ぐタップには本物のトナカイの角が使われています。このトナカイの角や、内装はなんともヴァイキングを彷彿とさせます。
ちょうどビールを飲み干すタイミングで2Fに案内され、ここの名物料理としても知られている、お目当のビールとフードのペアリングセット"Viking planks"をオーダー。
地元のムール貝、ブルーベリークリームが添えられたトナカイの燻製、魚介類のスープ、豚肉料理、そして濃いめのチョコレートケーキまでの5品が一皿ずつのワンプレートで提供され、そしてそれぞれのフードの味わいとマッチするクラフトビールが5種提供されます。
お分かりになるでしょうか。このフード遠くから見るとヴァイキング船になっているのです!
そんな心憎い演出を楽しみながら食べ進めると、ビールとそれぞれのフードの相性の良さにびっくりします。今回オーダーしませんでしたが、ベジタリアン向けのペアリングメニューも用意されているのが北欧ならでは。
小さな村にあるレストランですが、訪れる価値アリの素晴らしい場所でした。
【自家製のブラウンチーズが購入できる「Nærbutikken Underdalsbui」】
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こちらは「Nærbutikken Underdalsbui」という小さなスーパーマーケット。基本的な食料品が揃うお店で地元の人々に愛されていますが、ここの売りは自家製のブラウンチーズ。
この茶色いものがブラウンチーズで、ノルウェーの特産品として知られています。
初めて食べるとまず間違いなく驚くのは、ブラウンチーズの甘さ。デザートチーズとしても良いのですが、個人的に好きなのはブラウンチーズをスライスして、パンに乗せて軽くトーストして食べる方法。
これがもう病みつきになる程の美味しさで、ノルウェーに行ったら必ずお土産で買って帰る程です。
このブラウンチーズは、ヤギの乳から作られているのですが、ここ「Nærbutikken Underdalsbui」は、ヤギを飼っていて、自家製のブラウンチーズを提供しています。中には熟成が進んだ濃いブラウンチーズなども置いてあり、試食も可能。
ブラウンチーズ好きには堪らない場所です。
静寂という最高の演出
いかがだったでしょうか。フロムというところは、大自然に囲まれたエリアというのは先ほども触れました。
夜になり部屋に戻ると、本当に静寂が訪れます。擬音語で「シーン」と表現するのがぴったりなほど無音状態。星空も鮮明に見え、1人で外にいると、自分以外の生物がこの世からいなくなったような感覚にさえなります。
そして、宿泊先のオーナーからオススメされた"朝の散歩"。これが最高のひと時でした。
1人でフィヨルドの手前まで歩く片道15分の行程。夜ほどの静寂さは無いですが、鳥の囀りが山に反響する声、時折吹く柔らかい風の音、そして自分が歩く音。そして目の前に広がるフィヨルド。これだけでも、またここに来たいと思わせるのに充分な材料でした。
昨今旅行の重要性は現地での「体験」とよく言われます。フロムという村、そしてそこまでのフロム鉄道、ベルゲン急行は、その「体験」を高い完成度で提供してくれました。多くの方にオススメしたいルートです。
フロムで訪れたスポットはここ!
今回ご紹介したお店は、下記のmap内で赤くナンバリングしてマーキングしています。訪れた際は是非ご参考になさってください。
※番号は、各ショップをご紹介している上記記事内の数字とリンクしています(ex:map-①)
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