デンマーク発のクラフトビールブランド「ミッケラー(Mikkeller)」。
クラフトビール好きなら一度は名前を聞いたことがある、あるいはロゴを目にしたことがあるという方も多いはずです。
そんなミッケラーの世界観や哲学、そしてクラフトビールそのものの楽しみ方までを一冊に凝縮したのが、『ミッケラーの「ビールのほん」』。
レシピ本でも、単なるブランドブックでもなく、“ビールをもっと自由に、もっと自分らしく楽しむための一冊”。
今回は、すでにミッケラーを知っている方にも、これから知りたい方にもおすすめしたい本書の魅力を、3つのポイントに分けてご紹介します。
【オススメ①】 ミッケラーの「はじまり」と進化がよくわかる

この本の大きな魅力のひとつが、ミッケラー誕生の背景から現在に至るまでのストーリーが、丁寧に描かれている点です。
数学と物理の教師だったミッケル・ボルグ・ビャーウスが、「自分が飲みたいビールをつくる」という純粋な衝動から醸造を始めたこと。
固定の醸造所を持たず、世界中のブルワリーとコラボレーションする“ファントムブルワリー”という独自のスタイルにたどり着いたこと。
そして、常に挑戦を続けながら、クラフトビールの可能性を広げてきたこと。
すでにミッケラーを飲んでいる人ほど、「だからあの味なのか」「この自由さは、ここから来ているのか」と、一本一本のビールの背景がより立体的に見えてくるはずです。
成功だけでなく、試行錯誤や葛藤も描かれている点も、いかにもミッケラーらしいポイントです。
【オススメ②】 ビールの多様性を改めて実感できる

ミッケラーといえば、スタイルに縛られない自由なビールづくり。
本書では、IPA、スタウト、サワー、バレルエイジドなど、さまざまなビールの考え方や背景が、難しくなりすぎない言葉で紹介されています。

「なぜこのビールは甘く感じるのか」
「なぜアルコール度数が高くても飲みやすいのか」
「香りはどう設計されているのか」
そんな疑問に対して、ミッケラー流の視点で答えが散りばめられており、これまで“感覚で飲んでいたビール”が、少しずつ言葉として理解できるようになります。
すでにクラフトビールを飲み慣れている方ほど、「飲んで感じていたことが、言語化される感覚」を味わえる一冊です。
【オススメ③】 クラフトビールを“もっと楽しむ”ためのヒントが詰まっている

本書の魅力は、知識だけにとどまらない点にもあります。
香り・色・味わいといったテイスティングの視点が丁寧に整理されており、専門用語ではなく、「甘い」「ロースト感」「フルーティー」といった感覚的な言葉で構成されているため、初心者でも自然に理解できます。

さらに、テイスティングシートも用意されており、飲んだビールの印象を自分なりに記録していくことで、ビールが“ただ飲むもの”から“味わう体験”へと変わっていきます。
ワインのように、自分の好みを可視化できるようになるのも、この本ならではの楽しさです。

ビールに合わせたグラス選びも、本書ではイラスト付きで紹介されています。
なぜこのビールにはこの形なのか。
なぜ香りが立ちやすくなるのか。
視覚的にも理解しやすく、「次に飲むときはグラスも意識してみよう」と思わせてくれる内容です。
『ミッケラーの「ビールのほん」』は、知識を増やすための本ではなく、クラフトビールを“自分の感覚で楽しむための本”。
これまで何気なく飲んでいた一杯が、少しだけ特別な時間に変わる。
そんなきっかけを与えてくれる一冊です。
ミッケラーのファンはもちろん、クラフトビールが好きだけれど、まだ深く知らないという方にも、安心しておすすめできるガイドブック。
次に飲むビールを、少しだけ丁寧に味わってみたくなる。
そんな気持ちをくれる本です。
『ミッケラーの「ビールのほん」』

■著者:ミッケル・ボルグ・ビャーウス/ペニール・パン
■監修・翻訳:長谷川 小二郎
■価格:3,520円(税込)
■発行:ガイアブックス
<目次>
第1章 バケツ醸造からスターブルワーへの道 ミッケルの生い立ちとミッケラーの成り立ち
第2章 副葬品、未開人たち、そして僧侶たち ビールの略史
第3章 小規模醸造とクラフトビール革命
第4章 ビールの様式 淡色、苦め、濃色、サワー
第5章 見て、かいで、味わって、感じる ビールの味わい方
第6章 自分のビールを自分でつくろう
第7章 ビールのレシピ集
第8章 ビールと料理を一緒に楽しむ
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