日本とフィンランドを舞台にしたWOWOWの新ドラマ『Blood & Sweat』の完成報告イベントが、都内のフィンランド大使館で開催されました。
会場には主演の杏をはじめ、フィンランドを代表する俳優ヤスペル・ペーコネン、そして脚本と第5話・7話の監督を務めたダニエル・トイヴォネンが登壇しました。
イベント冒頭では、タンヤ・ヤースケライネン駐日フィンランド大使が登壇し、本作が持つ意味について語りました。北欧ミステリーと日本ドラマが交差する本作。その背景には、両国の文化が静かに響き合う関係性が見えてきます。
フィンランド大使が語る、本作が持つ文化的な意義

ヤースケライネン大使は本作について、「フィンランドと日本という2つの国をユニークな形で結びつける作品」と評価しました。
フィンランド発の犯罪ドラマの流れをくむ“ノルディックノワール”と、日本のドラマ表現が交わることで、新しい魅力が生まれることへの期待を示します。
また、「この作品を通して両国の文化的なハーモニーを感じてもらえるのではないか」と述べ、文化的な側面にも言及しました。
さらに、フィンランドパートの撮影地であるタンペレについて、自身の出身地であることを明かし、「個人的にもとても嬉しい」とコメント。
作品内では事件が描かれるものの、「タンペレは決して危険な街ではありません」とユーモアを交えながら紹介し、会場の空気を和らげました。
日フィン共同制作で見えた、共通する価値観と違い

本作は2024年12月から、日本とフィンランドの両国で長期間にわたるロケを行った国際共同制作です。
ヤスペル・ペーコネンは、日本との共同制作について「夢のような経験だった」と語ります。
文化や言語の違いがある一方で、「礼儀正しさや、少しシャイなところ、必要以上に多くを語らない感覚など、日本とフィンランドには共通する部分がある」と述べ、その共通点が現場での信頼関係につながったと振り返りました。
一方で、撮影スタイルの違いも印象的だったといいます。
フィンランドでは労働時間や休息が明確に管理されているのに対し、日本の現場では長時間の撮影でも高い集中力とチームワークが保たれていることに驚いたと語りました。
杏が語る、タンペレでの3カ月と“暮らすように撮る”体験

主演の杏は、本作のために約3カ月間フィンランド・タンペレに滞在し、家族とともに現地で生活しながら撮影に臨みました。
今回が英語のセリフによる連続ドラマでの本格的な挑戦となり、「英語が一番大きなハードルだった」と語ります。
さらにアクションシーンも多く、「頭と体の両方を使って挑んだ作品だった」と振り返りました。
フィンランドでの撮影について印象的だったのは、現場の温かさです。
スタッフは雑談も含めて英語で会話してくれたといい、「自分に関係のない会話でも、何が話されているのか分からず不安にならないように配慮してくれていた」と明かしました。
また、寒さや体調を気遣う声掛けなど、細やかなサポートがあったことで、「大変な撮影を乗り越えることができた」と感謝の言葉を述べています。
さらに、タンペレでの生活については「帰りたいと思ったことは一度もなかった」と語り、サウナや空気、水の豊かさ、街の静けさなどを挙げながら、「また戻りたい、住みたいと思うほど居心地のいい場所だった」と印象を語りました。

また、お気に入りの場所として名前が挙がったのが、展望台に併設されたカフェ「ピューニキン・ムンッキカハヴィラ」。名物のドーナツ(ムンッキ)については、「ふわふわでもちもちで、ほんのりスパイスが効いていてとても美味しかった」と印象を語っており、休日には行列ができるほどの人気店であることにも触れていました。
LifTeでも取材したことのあるこのカフェは、タンペレを訪れたら立ち寄りたい定番スポットのひとつとして知られています。
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サウナや日常の会話から生まれた自然な交流

初共演となった杏とヤスペルですが、現場では自然な交流が生まれていました。
フィンランド滞在中には、ヤスペルからおすすめのサウナを教えてもらったほか、互いに犬を連れていたことから、愛犬についての会話で距離を縮めていったといいます。

また、日本のサウナ文化で使われる「ととのう」という言葉をヤスペルが杏から教わったというエピソードも披露されました。文化の違いを超えて、日常的なやりとりの中で関係性が築かれていった様子が印象的です。
監督が語るキャスティングと、現場で感じた手応え

ダニエル・トイヴォネン監督は、プロデューサーとしてキャスティングの初期段階から本作に関わっていました。
杏については、「強い女性が単身でフィンランドに乗り込む」という役柄に対して理想的な存在だったと語り、「出演が実現したことは夢のようだった」と振り返ります。
またヤスペルについては、監督自身が子どもの頃から作品を見てきた存在であり、フィンランドを代表する俳優としての存在感に言及。
その存在を「フィンランドのブラッド・ピット、あるいは木村拓哉のような存在」と表現し、会場の印象に残る一言となりました。
さらに監督は、日本とフィンランドのスタッフの違いについても触れています。
日本のスタッフは監督の意図を丁寧に汲み取りながら進める一方、フィンランドのスタッフは積極的に意見や提案を出していくスタイルだといい、「どちらにも良さがあり、その違いが非常に面白かった」と語りました。
こうした異なるアプローチが交わることで、作品全体に厚みが生まれたといいます。
先の読めない展開と、2つの国の文化が交差する物語

完成した作品について杏は、「一気に見てしまうほど先が気になる展開」と語り、驚きのあるストーリーが続くことを明かしました。
ヤスペルもまた、「日本ではまだ誰も見たことのないような作品になっている」と手応えを語っています。
ダニエル監督は、本作には第二次世界大戦にさかのぼるストーリーラインが含まれていることを明かし、「現代の物語とどのようにつながっていくのかを楽しんでほしい」とコメント。
視聴者が謎解きをしながら物語に入り込める構造になっていると説明しました。
また杏は、フィンランドと日本について「自然に対する敬意や畏れといった共通の感覚がある」と語り、その感覚が作品の奥行きにもつながっていると指摘します。
フィンランドの冬景色と、日本の豊かな自然。それぞれの風景が物語の中で重なり合い、視覚的にも印象的な作品に仕上がっています。
リアルタイムで楽しみたい、日フィン合作の新たなミステリー

最後に登壇者たちは、視聴者に向けてメッセージを送りました。
ダニエル監督は「ネタバレによって魅力が損なわれる作品だからこそ、リアルタイムで楽しんでほしい」と呼びかけます。
ヤスペルは「多くの人に広がればシーズン2の可能性もある」と期待を語り、杏も「視聴者と同じタイミングで作品を楽しみたい」とコメントしました。
『Blood & Sweat』予告編
北欧ミステリーの緊張感と、日本ドラマの繊細な描写が交差する『Blood & Sweat』。
作品を通して、フィンランドの風景や文化の一端にも触れられる一本となりそうです。
本作は4月5日(日)より放送・配信がスタートし、毎週日曜午後10:00より全8話で展開されます。
第1話は【WOWOWプライム】で無料放送されるほか、【WOWOWオンデマンド】および【YouTube WOWOWオフィシャルチャンネル】でも無料配信予定。
まずはその世界観に触れてみてはいかがでしょうか。

<キャスト・スタッフ>
杏 ヤスペル・ペーコネン
濱⽥岳 ⾼杉真宙 福⼠誠治
時任勇気 エリアス・サロネン マーリン・ローズ
ミッコ・ノウシアイネン アリナ・トムニコフ ゼファン・スミス=グナイスト アンティ・レイニ
古舘寛治 吹越満 岩⾕健司 ⾚間⿇⾥⼦ 松⾓洋平
早⼄⼥太⼀ / 國村隼
監督:リク・スオカス ダニエル・トイヴォネン 岩﨑マリエ
脚本:リク・スオカス ダニエル・トイヴォネン 岩﨑マリエ ヘイキ・シリヤ
⾳楽:Jun Futamata
エグゼクティブ・プロデューサー:⾼嶋ともみ ダニエル・トイヴォネン イルッカ・ヒンニネン イルッカ・ラーコネン
プロデューサー:堤⼝敬太 ⽥上リサ ヤルッコ・ヘントゥラ エルナ・アールト
製作:WOWOW AX-ON ICS Nordic
⽇本×フィンランド共同製作ドラマ「連続ドラマW BLOOD & SWEAT」
4月5日(日)放送・配信スタート 毎週日曜午後10:00(全8話)
第1話無料放送【WOWOWプライム】
第1話無料配信【WOWOWオンデマンド】【YouTube WOWOWオフィシャルチャンネル】
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