椅子や照明、食器など、私たちの暮らしの中にあるさまざまな「デザイン」。
その歴史を豊富なビジュアルとともにたどることができる『図鑑デザイン全史 新装版』が、東京書籍から発売されました。
19世紀から現代まで、約500名のデザイナーと約1,600点の作品を収録。世界のデザインがどのように生まれ、変化してきたのかを眺めながら、北欧の家具やプロダクトにつながるデザインの潮流にも触れられる、北欧デザイン好きにもおすすめしたい一冊です。
19世紀から現代まで「デザインの流れ」が一冊に

『図鑑デザイン全史 新装版』の大きな特徴は、19世紀から現代まで続くデザインの歴史を、時代の流れに沿ってたどれること。
19世紀後半のアーツ・アンド・クラフツ運動から、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、モダニズム、ミッドセンチュリー・モダン、1960〜70年代の文化革命、そして1980年代以降のポストモダンと現在までを幅広く紹介しています。
それぞれを単独で見るのではなく、時代順に追っていくことで、「なぜこのデザインが生まれたのか」「その後、どのような表現へとつながっていったのか」といった変化を視覚的に感じられるのも本書の魅力です。
扱うジャンルも、グラフィックやタイポグラフィ、建築だけではありません。
ジュエリーや工芸、工業製品、電化製品、家具、食器など、私たちの暮らしに身近なプロダクトまで幅広く収録されています。
「デザイン史」と聞くと少し難しそうに感じますが、知っている家具や日用品を入口にページをめくってみると、そのデザインが生まれた背景や、同じ時代にどのようなものがつくられていたのかが少しずつ見えてきます。
北欧デザインにつながる流れにも注目

北欧好きの方なら、注目したいのが、「モダニズム」から「ミッドセンチュリー・モダン」へと続く時代です。
20世紀に入ると、デザインには装飾性だけでなく、機能や素材、量産といった視点も大きな意味を持つようになります。
本書では、モダニズムやバウハウスをはじめ、その後のミッドセンチュリー・モダンなども豊富なビジュアルとともに紹介。
北欧デザインだけに特化した本ではありませんが、世界各地で生まれたデザインの潮流を横断して見ることで、普段何気なく「北欧らしい」と感じている家具やプロダクトも、より大きなデザイン史の中から眺めることができます。
好きな北欧家具や食器が、どんな時代の流れの中で生まれたのか。いつもとは少し違う角度から北欧デザインを見ることで、新しい発見につながりそうです。
椅子からカメラまで、プロダクトごとにたどるデザインの歴史

もうひとつ注目したいのが、特定のプロダクトにフォーカスしたページです。
本書には、椅子やカメラ、ギターなど12ジャンルについて、それぞれのデザインがどのように変化してきたのかを一覧できる特設ページが用意されています。
例えば椅子ひとつを取っても、時代によってフォルムや素材、つくり方はさまざま。
一つひとつの名作を見るだけでなく、時代を超えて並べて比較することで、技術の進歩だけでなく、暮らしや価値観の変化まで見えてくるのが図鑑ならではの面白さです。
全400ページ、オールカラーという充実した内容も魅力。
最初から順番に読み進めてデザイン史を学ぶのはもちろん、気になる時代やプロダクトのページを開き、写真を眺めながら気になった作品を掘り下げていくのも楽しそうです。
お気に入りの北欧家具や食器を見つけたとき、「なぜこんな形になったんだろう」「どんな時代に生まれたんだろう」と、その背景まで知りたくなることがあります。
『図鑑デザイン全史 新装版』は、そんな好奇心に応えながら、いつもの北欧デザインをこれまでとは違った視点から楽しむきっかけをくれる一冊です。
名作として親しまれている家具や、毎日のように使っている身近なプロダクトも、その背景を知ることで見え方が少し変わるかもしれません。
豊富なビジュアルを楽しみながら、19世紀から現代まで続くデザインの歴史をたどれる『図鑑デザイン全史 新装版』。
北欧デザインが好きな方はもちろん、家具や建築、日用品など「デザイン」に興味がある方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

『図鑑デザイン全史 新装版』
監修:スミソニアン協会
日本語版監修:柏木博
訳:橋本優子・井上雅人・天内大樹
定価:6,930円(税込)
仕様:B5変型・400ページ
発売日:2026年7月29日
発行:東京書籍
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