フィンランドオーガニック事情を探る

以前スウェーデンのオーガニック事情を紹介しましたが、今回はフィンランドのオーガニック事情のお話。でも意外に「オーガニック」というものがよく分からないという人も多いのではないでしょうか。

|オーガニックとは

LifTe 北欧の暮らし フィンランド オーガニック

©️Vastavalo / Tuula Roos

オーガニックは有機農法とも言われ、化学肥料や化学農薬を使用しない農法を指します。オーガニック食材を使用した加工品に関しては、着色料や保存料などの添加物をできる限り低減する配慮も行います。また、遺伝子組み換えの種も使用しない等、実に様々な厳しい基準をクリアして作られるものがオーガニック製品です。

混同してしまったり、分かりにくくなってしまう原因は色々あるとは思うのですが、大きな要因としてこだわって作られた商品の呼び方が様々あることがあげられるかもしれません。ちょっと整理をしてみましょう。

「オーガニック」

化学肥料や化学農薬を使用せずに作られるもの。

「ナチュラルフード」

自然に実るもの。森に自生している果物や、食物。

「特別栽培」

生産された地域の一般的な農薬(指定のもの)・化学肥料の使用量に比べ、使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で作られるもの。

「無農薬」

栽培期間中に農薬を使用しないで作られるものを差しますが、現在日本では農林水産省によって使用が禁止されています。

その他にも、このオーガニック基準が各国で異なるというのも少し分かりにくくしている要因かもしれません。北欧各国でも、それぞれ認証制度があり、さらに大枠のEUのオーガニック認証制度もあり、日本よりも取得するのが厳しいとも言われています。
LifTe 北欧の暮らし パシフィコ オーガニックエキスポ2018
では、フィンランドのオーガニック事情はどのようになっているのでしょうか。先日、横浜で開催された「国際オーガニックエクスポ2018」で、フィンランド大使館商務部が、フィンランドオーガニック事情に関してセミナーを開催するということで、色々お話を伺ってきました。

|フィンランドのオーガニック事情 フィンランドはオーガニック市場の先駆者!?

LifTe 北欧の暮らし フィンランド大使館 木村正裕

フィンランドのオーガニック事情全般の話は、以前もLifTeで取材をした商務部の木村正裕さんから。フィンランドの首都ヘルシンキの水道水は、世界で売られているミネラルウォーターよりも綺麗だと世界水フォーラムが発表したというほど、フィンランドは環境がクリーンな場所と知られていてます。普通に育つ農作物の多くはナチュラルフードという現状や、2000年ごろからオーガニックに取り組んできた歴史もあり、ヨーロッパではフィンランドはオーガニック市場の先駆者と評価されているそうです。ちなみに、日本でも「有機JASマーク」があるように、フィンランドでも「Luomu」というオーガニック認証マークがあります。そしてフィンランドはEU諸国でもあるのでEUのオーガニック認証マークもフィンランドのマーケットでは良く目にします。
LifTe 北欧の暮らし オーガニックエキスポ2018 フィンランド

他のヨーロッパ諸国と同様に、オーガニック製品の生産、消費はやはり大きい伸びを示していて、オーガニック食品に関していうと、10年前に比べて約2倍の市場になっているそうです。特に消費者のオーガニックに対しての関心がとても高くなってきており、原材料不足に陥る実例も例も出てきているのだとか。日本だとなかなか見受けられない「牛乳」「牛肉」「豚肉」「鶏肉」などのオーガニック製品も生まれてきおり、特にフィンランドのオーガニックチキンは香港でも高級スーパーを中心に売り上げを伸ばしているそうです。

フィンランドオーガニック食品ブランド

LifTe 北欧の暮らし オーガニックエキスポ2018 フィンランド インカ
フィンランドオーガニック食品の注目ブランドの紹介は、商務部のインカさんから。現在フィンランドでは、本当に様々な食品がオーガニック製品として販売されるようになっているのですが、その中から成功事例としてピックアップされたのが、こちら。
LifTe 北欧の暮らし オーガニックエキスポ2018 フィンランド 食品
チョコレートの「GOODIO」、アイスクリームを製造販売する「JYMY」、クラフトビールの「FISKARSIN PANIMO」、そして現在香港で販売を伸ばしている鶏肉の「L’UOMU NOKKA」。やはり、なかなか日本ではお目見えしない、鶏肉のインパクトは強い。

オーガニックコスメ、ナチュラルコスメという成長市場

LifTe 北欧の暮らし オーガニックエキスポ2018 フィンランド ラウラ
「現在フィンランドでは食品以外の分野で、近年注目を浴びているのが「オーガニックコスメです」と語るのは商務部のラウラさん。実はオーガニックコスメの基準は、食品に比べるとまだ法整備が整っていないものは存在しないものの、ベリー系や白樺などフィンランドの自然にあるいわゆる天然由来の成分で拘りをもって作られており、多くのニーズを引き出しているそうです。今回紹介されたオーガニックコスメはこちら。
LifTe 北欧の暮らし オーガニックエキスポ2018 フィンランド コスメ
日本でも販売されていて人気の「FRANTSIRA」、フィンランドの心とも言えるサウナで使用できるアロマオイルなども手がける「OSMIA」食品費用の原料から作り出している「NIKI NEWD」など、こだわりを強く持っていて、かつその先の一手を売っているブランドが成功を納めているそうです。

|なぜフィンランドでオーガニック市場が伸びるか

LifTe 北欧の暮らし オーガニックエキスポ2018 フィンランド 牛

©️Vastavalo/Pirjo Koistinen

もちろん、昔からある一定層いるベジタリアンの方々の影響、ヨーロッパ全体のオーガニック市場の増加という背景、そしてオーガニック製品デザインが洗練されているという要因もあると思いますが、もう一つ大きな要因になっていると個人的に感じたのは、都市部に多くの残っている自然。フィンランドを訪れると分かりますが、都市部から少し行くだけで雄大な自然を体験することが可能です。自然享受権という権利が国民全てにあって、自由に森や山に入り、自生するベリーやキノコを採取することが許可されているため、小さい頃から森で時間を過ごすという行為が普通になっています。

自分たちの次の世代に豊かな自然を残して行くという姿勢はオーガニック製品を生産していない、例えばアパレルのブランドもブランドポリシーで掲げています。つまり、社会全体が自然を愛し、それにそった生き方をしているので、オーガニック製品を購入するという選択が多分日本と比べてずっと自然なのでしょう。

フィンランドのオーガニック製品は国内にとどまらず、今海外への輸出も盛んになってきています。日本のマーケットでもこれから少しずつお目見えすることになるでしょう。

|今回紹介したブランド(登場順)

GOODIO チョコレート
JYMY アイスクリーム
FISKARSIN PANIMO クラフトビールL’UOMU NOKKA 鶏肉
FRANTSIRA コスメ
OSMIA コスメ
NIKI NEWD コスメ

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