アイスランドの魅力溢れる映画『たちあがる女』は必見!

カルチャーで語られる作品は、カテゴリーに収束されるのが常です。音楽、小説、映画、それぞれ「ロック」だったり、「ミステリー小説」だったり「恋愛映画」だったり。それは、聴いた人、読んだ人、観た人が、他の人たちに伝えるのにとても役立つものですが、希にどのカテゴリーにも属さない、どのカテゴリーに当てはめても良い作品に出会う時があります。得てして、そういった独自の世界観を持つ作品は、自分の記憶に長く留まることが多いのですが、今回皆さんに紹介する映画も、一つのカテゴリーに収束しない素晴らしい映画でした。

|アイスランドの今を映し出した良作

LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女

今回ご紹介する作品は、3月9日(土)から公開する、アイスランド映画の『たちあがる女』。タイトルの通り、主役はハットラという女性です。アイスランドは10年連続で「男女平等ランキング」で1位を獲得していて、日本と比べると女性の社会進出がだいぶ進んでいます(現アイスランド首相も女性)。

溢れる自然、それを活かした産業、そして環境破壊

LifTe 北欧の暮らし アイスランド 風景
「アイスランドを訪れると虜になる」という話を良く聞きます。アイスランドは手付かずの荒涼な自然が残っています。火山もあり、氷河もある。この自然の雄大さを見て地球の偉大さに魅了されるそうです。自然の宝庫とも言えるアイスランドの主要産業は、観光産業、漁業、そしてもう一つが「アルミニウム」。

アイスランドは地熱発電と水力発電で全ての電力を賄っており、他国と比べると安価に電力が使用可能です。そんな背景もあり発達したのが、大量の電気を使用する「アルミニウムの精錬」。いまでは主要産業の一つになっていますが、アルミニウムを作るためには大量の水も必要となり、ダム建設などの環境破壊とも表裏一体なのです。

|ストーリー

LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女 2
アイスランドの自然を心底愛する主人公ハットラは、自然環境の破壊につながるアルミニウム精錬会社に、一人立ち向かって行きます。普段はコーラスの講師を務めるハットラですが、「自分の敵」に一人立ち向かっていく様は、少々過激で、まさに戦士(原題は「Woman at War」というのも納得)。過激ゆえに追われる立場ともなり、自身の危険を招きます。
LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女 3
そして彼女には、もう一つ夢がありました。それは「母」になること。養子縁組の申請を過去にしていたハットラに届いた養子縁組許可の書類。母になるために、ハットラはアルミニウム精錬会社に最終決着をつけるために、危険を承知で立ち上がります。

|カテゴリーに分類できない出色の出来栄え

LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女 4
このストーリーを読むと、サスペンス要素を感じるのではないでしょうか。確かにハットラの身がどうなるかという良質なサスペンス要素が『たちあがる女』にはあります。ただ、それだけじゃないというのがこの作品のポイント。
LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女8
双子の姉とのやりとりや、養子縁組に関するエピソードはドラマ的な要素があり、心優しい牧場主のおじさんや、ツーリストの男性が出てくるシーンでは笑いも多分に起きます。一つのカテゴリーに属さず、それぞれの要素が高水準に、そして絶妙なバランスをとっているのが『たちあがる女』だと思います。

音楽の絶妙さ

LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女 ウクライナ合唱
もう一つこの作品の観どころをあげるとすれば、音楽の使い方。通常映画音楽は、ストーリーのバックで流れるもので、演奏者がスクリーンに出てくることはありません。ただ、今回の「たちあがる女」では、主人公ハットラが何か決断したり、心が揺れ動いたりするシーンで音楽が流れるのですが、スクリーンに演奏者も登場するのです!
LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女 音楽
この奇抜とも言える手法は冒頭から展開され、観ている側に軽い衝撃を与えるのですが、ストーリーが進むにつれて、自然な感覚になって行き、最後には癖になっている不思議さがあります。

|アイスランドの現代女性像

LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女 ハットラ
ハットラは、誰にも縛られることなく自由な女性です。そして自分のなすべきことを、迷うことなく一直線に突き進みます。

「人生は価値があるのであれば、戦ってでも切り開いていくもの」。

本作品を見終えて感じたのは、この感想でした。

現在のアイスランドにおける「男女平等」という価値観は、アイスランドの女性達が文字通り、戦って勝ちとってきたものでもあります。当時は国家、自治体に対しての戦い。そして本作品ではハットラは大企業との戦いに挑んでいます。
LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女 レイキャビク
戦いというと、シリアスなイメージになりがちですが、散りばめられたユーモアのエッセンスと、登場人物のキャラクターによって、とても魅力的な作品に仕上がっています。ストーリー以外にも、首都レイキャビクの街並みや、アイスランドらしい荒涼な自然も存分に堪能できる要素も十分!

本作品『たちあがる女』は、3月9日(土)より、YEBIS GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショーとなっています。是非劇場でアイスランドの自然、そして良質なストーリーを体験してみてください♪

『たちあがる女』予告編


『たちあがる女』オフィシャルサイト

|スタッフ・キャスト

LifTe 北欧の暮らし アイスランド映画 たちあがる女9
監督・脚本:ベネディクト・エルリングソン
脚本:オラフル・エギルソン
音楽:ダヴィズ・トール・ヨンソン
撮影:ベルグステイン・ビヨルグルフソン
出演:ハルドラ・ゲイルハルズドッティル、ヨハン・シグルズアルソン

2018年/アイスランド・フランス・ウクライナ合作/アイスランド語/101分/カラー/5.1ch/英語:Woman at war/G/日本語字幕:岩辺いずみ/後援:駐日アイスランド大使館

配給・宣伝:トランスフォーマー

(c)2018-Slot Machine-Gulldrengurinn-Solar Media Entertainment-Ukrainian State Film Agency-Koggull Filmworks-Vintage Pictures




関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

Translate

sponsored

sponsored

ページ上部へ戻る