5月31日に、阪急うめだ本店、and graphic designの主催により、阪急うめだ本店9F"阪急うめだホール"にて、【北欧映画祭 Collaboration with キノ・イグルー】が開催されました。
5月31日(金)と6月2日(日)2日間開催する本イベント。開催の1日目となった31日には、いまだに人気が高い『かもめ食堂』の上映とともに、リバイバル上映としては初となる主演・小林聡美さんによるスペシャルトークイベントが行われ、セレクターのキノ・イグルーのお二人ともに、本作の撮影当時の裏話や、北欧映画・文化の魅力を、映画上映とともに語るものとなりました。
|小林聡美 コメント
公開から10年以上経っているのに、長い間この作品(『かもめ食堂』)を愛してくださって感謝しています。
この映画がきっかけで北欧の文化に親しんで頂く方が多くなったというか。もう公開から14年ですか・・・ひと回り以上前って事ですね、若かった!ビックリです(笑)
大阪について問われ
映画のキャンペーンとか、観光で神戸や京都に行った帰りによく寄ったり。何度も来たことありますね。
フィンランドへ最初に行った時の話を振られ
最初は32歳くらいの時でしたね、トレッキングのドキュメンタリー番組を撮りに行った事がきっかけで。
ヘルシンキではなく、もっと田舎の自然が豊かな場所だったんですが、帰国の直前に首都であるヘルシンキに寄らせてもらったんです。
とても夕陽が美しくて、広々していて、過ごしやすい場所だなぁというのが印象でした。
『かもめ食堂』の撮影時の話に及ぶと
撮影は8月だったんです。夏の設定だったし、衣裳も夏っぽく揃えていったんですよね。
でも、朝はダウンを羽織るくらい寒くて。現地の人に聞いたら「夏は1年に1日だけ来るよ」って(笑)それでも25~6度とか。
フィンランドでは気温10度とかでも、「暖かい!」って半袖になって喜んだりするんですよね。
この映画の公開をきっかけに、撮影の時には全く見かけなかった日本の方がどんどん観光に訪れるようになってくれて、その後は日本に居るときよりも現地で声をかけられるようになったりして(笑)。
日本とフィンランドの違いを問われると
働き方の考え方が全然違うんです。
現地の撮影スタッフは、1日で働く時間をきちんと決めていて、中には、明日は母の誕生日だからお休みなんだって方もいました。
働き方が上手なんですよね、日本人もやればできるのに!って思っちゃいました(笑)逆に似ているところもありますね。
ハグとか握手とか、海外の人ってそういうイメージがあったんですけど、無理に人との接触をしない感じとか、女性が割と強い感じとか。
あとは、シャイなんだけど、お酒飲むとはっちゃけちゃう感じとかね(笑)北欧って、のんびりスローライフなイメージがなんとなくあるじゃないですか。
でも、意外とパンクで奇抜な文化も結構あって、最近なんて「ヘビメタ編み物選手権」とかいう、不思議なイベントがフィンランドで行われていたりして。面白いですよね。
共演者のもたいまさこさんと、片桐はいりさんに関して
本当に気の合う3人組です。同業者の中でも、緊張感無く接する事のできる数少ない方々ですよ。
今後の活動について
11月1日に笑福亭鶴瓶さんが主演の『閉鎖病棟-それぞれの朝-』という作品が公開されます。大阪のスター鶴瓶さんですよ!是非ご覧ください。
|キノ・イグルー コメント
有坂塁
最初に『かもめ食堂』を見たときは、インパクトがあり、何年経っても古びないですね。僕らが主催するイベントでも、大人気の作品です。
実は、阪急うめだ本店のこのホールでイベントをやらせて頂くのは2回目ですね。
大阪にきたら、絶対に“スパイスカレー”を食べます。大阪は新しいカレーのジャンルを作ってくれましたよね(笑)
今回の北欧映画祭の作品選定のポイントは、観客の皆さんが“普段だったら選ばない”、“現地の風景や風のにおいを感じる事ができる”というものです。
キノ・イグルーの名前の由来に関して
実は、フィンランド映画の巨匠であるアキ・カウリスマキ監督が命名したくれたものなんです。
彼の作品が二人とも大好きで直筆の手紙と僕らのチェキの写真を送ったら、英語とフィンランド語で名前を送り返してくれました。
カウリスマキ監督の『浮き雲』(1996)という作品が僕の一番好きな作品。
監督の作品は、フィンランドの弱者層の人々を主役に、配色や独特なライティングなど、ひと目でカウリスマキ作品だと分かるテイストなんです。
渡辺順也
僕らは、よくカフェとかでも上映イベントをやったりするんですけど、『かもめ食堂』は、そのカフェのスタッフのベストムービーによく選ばれたりしていますね。ほとんどの方が観たことあると思います。
ヘルシンキに過去行った事がある話になると
ヘルシンキへは、キノ・イグルーを命名してくれたアキ・カウリスマキ監督のオフィスにお邪魔する事がきっかけで初めて行きました。
監督の作品は、社会の片隅の方々を主人公に取りあげる事が多かったので、なんだか暗いイメージだったんですけど、そんな事はなくて、とてもキラキラとした方ばかりでした(笑)。
そのとき、この『かもめ食堂』でもスタッフとして参加されていた森下圭子さんという方がコーディネーターとして案内をしてくれて。
映画のクレジットを観たときにビックリしたんです。行ったのは5月でしたが、フィンランドの5月は日本の冬よりも寒かったですね。
北欧映画祭について
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のような暗いテイストの作品もある中、今回は、北欧のライフスタイルを感じる事ができて、ポジティブな気持ちになれる作品を選びました。
会場となったホールは、阪急うめだ本店にて6月4日まで開催される“北欧フェア”とともに、北欧と映画の魅力を味わいに来たお客様400名で満員となり、小林聡美さんの軽快なトークに、終始笑顔と笑いの絶えないイベントとでした。
北欧映画祭は6月2日にも、『バレエボーイズ』『シンプル・シモン』『バベットの晩餐会』『馬々と人間たち』の4作品の上映が行われる予定です。
|アクセス
【北欧映画祭 Collaboration withキノ・イグルー】
開催期間:2019年5月31日(金)、6月2日(日)の2日間
会場:阪急うめだ本店9階阪急うめだホール
住所:大阪府大阪市角田町8-7 阪急百貨店うめだ本店9F 阪急うめだホール
主催:阪急うめだ本店/and graphic design株式会社
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