北欧から「料理」をイメージする人は、まだ少ないかもしれませんが、現地に訪れると想像以上に美味しいものに溢れています。ミートボールや、サーモンスープなどの伝統的な料理や、ミシュランで星を獲得するようなキュイジーヌ、そして市場やカフェで何気なく食べるオープンサンドやシナモンロール。日本でもその北欧料理の素晴らしさを伝えるレシピ本がいくつも販売されていますが、伝統と新しい感覚が融合した魅力的な本が発売されました。
|英国人レイチェル・クーが見たスウェーデン
今回発売となったのは「レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン」。レイチェルさんは英国人の料理研究家で、フランスの伝統料理学校ル・コルドン・ブルーで学び、製菓ディプロマを取得し、2012年に出版した『小さなパリのキッチン(The Little Paris Kitchen)」は英国でナンバーワンベストセラー隣、13ヶ国語に翻訳。その後も『レイチェル・クーのフレンチキッチン』『レイチェルクーのキッチンノート おいしい旅レシピ』を出版し、日本を含めた世界各地でベストセラーになりました。
2016年にスウェーデン人と結婚し、スウェーデンに移住、現在は2人の子供にも恵まれています。彼女の魅力は、旬の素材を使いながら、彩りが鮮やかで、かつ作り方はシンプルという所。そして、彼女の洗練された美意識がどの料理にも詰まっていて、見ているだけで楽しくなります。
|スウェーデンの料理にレイチェル・クーのエッセンスが加わる
今回、彼女の出版発表会がスウェーデン大使館で開催され、今年の9月に着任したペールエリック・ヘーグべリ大使もお祝いに駆けつけました。
メインイベントは、彼女のレシピを大使館付きのシェフが再現し参加者に振る舞われた料理の数々。伝統的なミートボールは、ベリーのソースが付け合わせになりますが、彼女が選択したのはビーツ。そしてそれを小さくカットしたブレッドに乗せる。パーティーメニューのフィンガーフードがわりにもなりそうな新しいアイディアです。
"にんじんのサラダ"はドレッシングが控えめで、人参の甘さもしっかり分かります。散りばめられたチーズとの相性も抜群。
鍋に残ったソースをかき集める時に使われるゴム製の料理用ハケ「グッブローラ」をイメージさせる"ゆで卵とアンチョビのサラダ"も見た目が美しく、かつ手軽に作れそう。
|自然が近いストックホルムの魅力
今まで世界中のバラエティに富んだ食材が集まるロンドン、パリに住んできたレイチェルさんは、状況が異なるストックホルムに最初は戸惑ったそうです。ただ、ロンドン、パリに無い大きな魅力がストックホルムにありました。
それは「自然がとても近い」ということ。
彼女が一番大事にしているのは、旬の食材を使用すること。自然が近いスウェーデンでは、森に行けば良質なキノコや、ベリー、ハーブがあり、自由に採取することが可能です。自然の恵みをそのまま頂くという、彼女にとって最高なシチュエーションがストックホルムにあったのです。
|食材が制限されるからこそ生まれるアイディア
冬が長いスウェーデンでは、冬場マーケットに出回る野菜の種類も減るそうですが、そこが新しいアイディアの根源となるとレイチェルさんは語ります。それは食材の種類に限らず、グルテンフリーや、ビーガン、ベジタリアンなどの食の多様性も同様です。今回のレシピブックでは、その多様性にも配慮したレシピはもちろん、スウェーデンのライフスタイルが分かる彼女のコラムも掲載されています。
このレシピブックには、彼女が過ごした3年間のスウェーデンがぎゅっと詰まっています。食べる人を笑顔に、そして幸せにする彼女のエッセンスを是非つかんでみてください♪
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