ここ最近、LifTeでご紹介してきた『ヴィンランド・サガ』は、9世紀〜11世紀の北欧を舞台にした漫画で、ヴァイキングに焦点を当てて描かれています。僕もこの漫画がきっかけでヴァイキングに興味を持ち、ヴァイキングに関して調べていたところ、本気度が桁外れな「ヴァイキングバトルクラブ」という団体を発見!!
※『ヴィンランド・サガ』を紹介した記事はこちら
|ヴァイキングバトルクラブとは
どうやら、彼らはヴァイキング時代の戦い方を研究し、再現をしようとしているそうです。そして使用する武具や装飾品にもこだわりが滲み出ている。趣味が高じて深く調べている方は色々いらっしゃいますが、使用用途まで検証し、実際に使用してみるというのは、中々お目にかかれません。定期的に吉祥寺の井の頭公園で練習をしている情報をみて、早速見学に伺ってみました。
|井の頭公園の雰囲気が変わる
訪れたのは、12月初旬。井の頭公園は紅葉真っ盛り。吉祥寺駅から徒歩10分で、これほどまでに自然豊かな大きい公園があることが、吉祥寺が長年「住みたい街ランキング」で、上位に君臨する理由の一つでもあります。
今回伺った場所は、萬助橋付近にある第1駐車場の奥にある開けた場所。二人の男性がなにやら準備をしているところが目に入ります。近づいて行くと、鎖帷子を装着し、これから練習に入る雰囲気。建物が一切見えない場所なので、ここの場面だけで、ヴァイキング感がハンパありません。練習前に、少しお話を伺いました。
|研究し、実践、そしてまた研究をする 男の美学
ヴァイキングバトルクラブの代表田中さんは、ヴァイキングバトルクラブを発足する前は、格闘技と日本剣術の道場に長年通った経験もあり、中世ヨーロッパの剣術を研究していたこともあるそうです。そこからこのヴァイキングの世界観に惚れ込み、日夜研究を続け、吉祥寺の井の頭公園で実際に武具を身につけ練習に勤しんでいます。自身の研究は当然のことながら、ドイツの中世武術の研究を行なっている方からも、アドバイスをもらいながら実践しています。趣味という領域をはるかに超えた究極の男の美学を感じます。
|盾を使う、盾で戦う
実際に練習を見学させて頂いたところ、びっくりしたのが戦い方。勿論剣を交えることもありますが、まずは盾を使い、相手の盾、もしくは体全体のバランスを崩しにかかるのです。バランスを崩した瞬間に剣で切りつける。つまり、盾の使い方がとても重要なのです。
そのため、盾は頑丈ではなくてはならず、結構な重量。実際に僕も持たせてもらいましたが、5~6kgあるので、これを片手に持って長時間戦ってきたと思われるヴァイキングの体力は計り知れません。
|剣より斧が普及していた理由
『ヴィンランド・サガ』でも、ヴァイキングは様々な武器を使用します。剣、槍、弓、そして斧。田中さんの考えによると、斧は様々な意味で使い勝手が良いそうです。先ほど触れたように、当時の戦い方は盾の使い方が重要です。斧は相手の盾を引っ掛けるようにして、盾のバランスを奪うことができ、その瞬間斧で相手をなぎ倒すことができます。つまり剣にも勝る武器としての使い勝手も斧にはあります。また、剣と比べると斧は鋼の部分が少なくて済むため、剣を一振り作るよりも、斧を一丁作った方がコストがかからないため、当時普及したのではないかと田中さんは教えてくれました。
|作れるものは、自分で作る
今回、びっくりした点のもう1つは、ヴァイキングバトルクラブの方々が身につけている装飾品を含めた武具を手作りしているところ。勿論全てではないですが、自分たちで作れるものは自分たちで作っているそうです。この角杯も田中さんご自身が作られたもの。当時は、手作りで全てが作られていたはず。その精神もヴァイキングバトルクラブはしっかりと引き継いでいるのです。
取材を終えた頃、田中さんから一言「ミード飲まれますか?」。『ヴィンランド・サガ』でも度々出てくるミードは、蜂蜜と水と酵母菌を発酵させてできあがる「醸造酒」で、蜂蜜酒とも呼ばれています。ヴァイキングが愛したお酒の一つで、僕も初体験。甘みがあり、飲みやすいのですが、何より、武具を装着したヴァイキングバトルクラブの方々を間近にしながらミードを頂いたことが、ヴァイキングの世界に自分もいるような軽い錯覚を覚えたのが印象的でした。
|活動の場は広がる
吉祥寺の井の頭公園での活動以外にも、日本ヴァイキング協会が主催する、当時の生活に触れるヴァイキングキャンプに参加したり、今年の10月には東急ハンズ池袋店で開催された「ヴァイキングライフ」というイベントでは、実演披露も行ったそうです。これからも活動の場が広がりそうなヴァイキングバトルクラブの動向は、オフィシャルtwitterで確認することができます。
井の頭公園での活動予定は勿論、当時の考察、アイテム製作過程もアップしているので、ヴァイキングの世界にちょっとでも関心がある方は要チェックですよ〜♪
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