LifTeでも、北欧の図書館はいくつか紹介してきましたが、本当に北欧に住む人々は図書館を利用します。
長い冬を室内で過ごすことが多いからともよく言われますが、実際に図書館に行くと小さい子供たちが大勢利用して、絵本を読んでいるのを目の当たりにしてびっくりしました。
大人になって絵本を読んでみると、実は地域の文化だったり、教育に対してのメッセージが含まれていることが多かったのに気づきます。
そこで、今回は北欧の文化や、教育が垣間見ることができる絵本をご紹介します♪
🇫🇮 カラフルな色彩が楽しい!『くまのムル はじめてゆきをみる』【小学生低学年向け】
まずご紹介するのは、このカラフルな表紙が目を引くフィンランド発の絵本『くまのムル はじめてゆきをみる』。
他のくまたちは、冬になると冬眠をしますが、ムルは眠たくない、冬眠をしたくない。なんでみんなと同じことをしなくちゃいけないのか。ムルはそこで...
【色彩豊かなイラスト、そして自分らしさ】
やはりこの絵本で印象に残るのは、イラストレーターのアンネ・ヴァスコが手掛けたカラフルなイラスト。
森の中のお話なので、ブルーベリーやキノコなどフィンランドの森でお馴染みのモノがたくさん出てきます。ムルの表情もコミカルで笑いを誘ってくれます。
そして「人と一緒じゃなくていい」というメッセージは、フィンランドの教育姿勢を映し出しているような気もします。
日本も最近は変わってきていますが、まだまだ他人と合わせる同調論を大事にする風土があります。
"1人1人の個性を尊重する"大切さを学ばせてくれるこの絵本は、とても素敵です。
🇸🇪サーミ族の暮らしがよく分かる『巨人の花よめ』【小学生中学年向け】
次に紹介するのは、スカンジナビア半島(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)の北部、ロシアのコラ半島に住む少数民族"サーミ族"の女の子チャルミが主人公の『巨人の花よめ』。
美しくて賢いチャルミの評判は、遥か遠くまで広がり、たくさんの男がちゃルミをお嫁にしたいとやってくる。でもチャルミは、今の暮らしに満足していて結婚する気がない。ある日、恐ろしい巨人がやってきて...
【サーミ族の暮らし、自然の中で生きるということ】
この絵本の中では、サーミ族の暮らしが丁寧に描かれています。
サーミ族にとって大事なトナカイはもちろん、幸せを運んでくると言われるククサ(白樺のこぶから作られるカップ)、テント、そして民族衣装など、見ているだけでサーミ族の暮らしが伝わってきます。
サーミ族はいまでも同じような暮らしをしています。あとがきにも、詳しくサーミ族の暮らしが解説されているので、本編と併せて読むと、よりサーミ族の事が理解できるはずです。
🇩🇰🇫🇮 マリメッコのデザイナーが描く ため息が出るほど美しいイラスト『雪の女王』【小学生高学年以上】
世界的に大ヒットを記録したディズニー映画『アナと雪の女王』の原作として、近年また注目されているアンデルセン原作の『雪の女王』。
いくつか『雪の女王』で絵本はありますが、こちらはマリメッコのデザイナー"サンナ・アンヌッカ"がイラストを手がけています。
幼馴染のカイとゲイルは、遊ぶ時はいつも一緒。幸せな日々を過ごしていたある日、悲劇が訪れます。カイが雪の女王に連れ去られてしまうのです。カイを連れ戻すために、勇気を奮い立たせゲイルはひとり旅たつのですが...
【ストーリーを描いたイラストがとにかく素晴らしい!】
この作品の注目点は、やはりこのサンナ・アンヌッカが描き出すイラスト。
ページ構成としては、基本的に左側ストーリー、右側イラストという形で進んで行きます。
ストーリを読んで、隣のイラストを見て、またストーリーを読み返してしまうほど、それくらい各ページのイラストが素晴らしい出来栄えになっています。
そして、本の装丁も丁寧に作られていて、インテリアとしても棚に飾っておきたくなります。
小学生高学年以上と書きましたが、充分大人も楽しめる内容になっています。
【サンナ・アンヌッカが手掛けた絵本は他にも!】
このアートとも言っていい絵本の『雪の女王』。実は他にも2つ作品があります。
同じアンデルセン原作の『モミの木』。そしてドイツの童話作家E.T.A.ホフマンの作品『くるみ割り人形』。どちらも『雪の女王』同様に素晴らしい出来映えなので、この『雪の女王』を気に入った方には、是非オススメしたい作品です。
🇸🇪 読み聞かせが楽しい!『うっかりおじさん』【幼児向け】
最後にご紹介するのは、スウェーデンの絵本作家エマ・ヴィルケが手がけた『うっかりおじさん』。
スウェーデンの優れた絵本に贈られるエルサ・ベスコフ賞も受賞している本国でも人気の絵本。
主人公のうっかりおじさんが出かける準備をするために、「○○みなかったかい?」とこちらがわに語りかけてきて、それを差し出すという会話形式で進む作品で、変なものを渡したり掛け合いが軽妙でクスッとなります。
特に小さいお子様への読み聞かせにはピッタリで、僕の娘(3歳)はこの本が大のお気に入り。
ポイントは、ちょっと大げさすぎるくらいに読んであげること。
特にハエが出てくるシーンでは、本をハエに見立てて揺らして、子供の目の前に本を近づけてあげれば、子供は声を出して大爆笑すること請け合いの絵本です。
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