今年の年末年始は、おうちでゆっくり過ごそうという人も多いのではないでしょうか?
じっくり時間があるときに、お子様と一緒に読んでみたいのが「絵本」。
短く読みやすいながらも、優れた「絵本」には、国の文化や、大人がハッとするようなメッセージが記されていることもあります。
今回は、北欧の作家たちが描いた素晴らしい絵本をご紹介します!
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🇸🇪 楽しそうなペンギンたちに元気をもらえる!『ペンギン・カルテット ニューヨークへいく』
まずご紹介するのは、この楽しそうな雰囲気の表紙が目を引くスウェーデン発の絵本『ペンギン・カルテット ニューヨークへいく』。
南極に冬がやってきました。産まれたばかりの卵をあたためるのはとうさんペンギンの仕事。でもどうにも退屈で、ヴィッレ、アーネ、ラッセ、ブルーノの4羽のとうさんペンギンは、演奏旅行にでかけることにします。
ジャズバンド“ペンギン・カルテット”を結成し、卵をかばんにつめていざニューヨークへー。
【色彩豊かなイラスト、そして自分らしさ】
スウェーデンのヨーテボリ出身の作家"ペーテル・アルヘニウス"とイラストレーター"インゲラ・ペテッション"の合作で1996年に発表されました。
全ページ通して、ペンギンたちの楽しそうな様子、ニューヨークの街並みの細かい描写、イラストを眺めているだけでも小さなお子様は満足するはず。
ニューヨークのシーンでは、映画監督でもありジャズ演奏家でもある"ウディ・アレン"を彷彿とさせるキャラクターも出てくるので、映画好きの方ならおっとなるかもしれません。
思い立ったらすぐ行動をするペンギンたち。人生でもそんな要素は必要だったりもします。そんなことをお子様と話しながら読むのもいいかもしれません。
🇳🇴 50年以上愛される絵本の傑作『三びきのやぎのがらがらどん』
次に紹介するのは、1965年に発刊され、50年以上経った今でも読み継がれている名作『三びきのやぎのがらがらどん』。
橋の向こう側の山で、たくさん草を食べようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。
橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。
小さなヤギの機転によって、小さなヤギと中くらいのヤギはトロルから逃げて橋をわたることができました。
とうとう、一番大きくて強いヤギがトロルに勝負を挑みます。
3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか?
【擬音語が楽しい!知恵を使って強いものに立ち向かう姿】
保育園や幼稚園にも必ずあると言っても過言ではない人気絵本『三びきのやぎのがらがらどん』。
大人になってから手に取ってみると、親しみやすい絵のタッチではないため、今の子供達にも受け入れられているのか心配になりましたが、うちの4歳の娘もお気に入りの作品でした。
橋を渡る時の音や、最後の締めの言葉の擬音語がとても楽しいみたいで、読み聞かせにはぴったりの作品です。
また、巨大なトロルに知恵を使って兄弟で立ち向かう様子もハラハラドキドキ感があり、娘のお気に入り箇所。
ノルウェーは、山間部に行くと実際にやぎを飼育していて、ヤギの乳で作る甘いブラウンチーズ(ゴートチーズ)は、ノルウェーの特産品にもなっています。表紙裏に描かれたイラストを見て、お子様とそんな話をしても面白いと思いますよ♪
🇫🇮 おもちゃ目線の話にキュンとなる『ぼくって王さま』
こちらは、フィンランドの絵本作家"アンネ・ヴァスコ"が手がけた『ぼくって王さま』。彼女の作品は以前LifTeで紹介した『くまのムル』シリーズも有名です。
『ぼくって王さま』は、2011年にフィンランドの優秀な絵本に贈られる"ルドルフ・コイブ賞"を受賞しています。ちなみにこのルドルフ・コイブ賞は、過去あのトーベ・ヤンソンも『Den farlig resan』という作品で受賞した権威ある賞です。
おにいちゃんのたいせつなたからものだったぬいぐるみネコのイエロナ。
おにいちゃんの王さまライオンとしていつもずーっといっしょだったのに、このごろちっともあそんでもらえない。
ぼくはここだよ…。
―さてさて、イエロナはどうなるのでしょう?
【実際の布で作り上げた心温まる作品】
『ぼくって王さま』の素晴らしいところは、この全編通じて実際の布で作られた絵。細かいところが不揃いな分、読み進めて行くと、どんどん主人公のイエロナが愛しくなっていきます。
おもちゃ目線というのも面白く、子供が持つ無限の想像力のように変化して行くイエロナの姿も見ていて飽きません。
そして、最後イエロナが迎える結末を読み、表紙、背表紙の裏をそれぞれみるとさらにキュンとなる構成はとても素晴らしい。
おもちゃが好きなお子様全員が対象な素敵な本ですが、特に兄弟姉妹がいるご家庭で喜ばれるかもしれません。
🇳🇴 悲しみに向き合って前に進んでいく『エングレペルス』
こちらは、ノルウェーの絵本作家"イベン・サンデモーセ"が手がけた『エングレペルス』。
「どうして だまって しんじゃうの! わたしには ジャンボしか いないのに。」
ある日とつぜん、大好きな猫のジャンボが死んで、ひとりぼっちになった女の子は、悲しくてさびしくてたまらず、ジャンボに手紙を書きます。
書くうちに、気持ちは少しずつ変化していきます。そこへ空から……。
喪失と再生を描いた物語
【死から始まる再生の物語】
物語は、主人公の愛猫ジャンボが死んでしまうシーンから唐突に始まります。そこからジャンボに対して主人公から送られる手紙の数々。
これは、作者の"イベン・サンデモーセ"の実体験に基づいたお話だそうです。そのため、主人公の気持ちの描写にリアリティがあり、彼女の気持ちが手紙を通じて伝わってきます。
彼女が、どうやって前を向いていけるのか、最後まで目が離せないストーリーです。
身近な人や、最愛のペットの存在を失った経験のある子供達に向けられて書いたそうなのですが、大人でも充分感じ入る作品です。
🇫🇮 風を通して感じるフィンランドの季節「風と出会う日々のこと」
最後に紹介するのは、フィンランドのアーティスト兼イラストレーター"ハンナ・コノラ"による『風と出会う日々のこと』。
装丁が、パステルカラー、そして柔らかい印象のイラストでほっこりします。
「風と出会う日々のこと」は2016年に発刊され、同年、フィンランドで最も美しい絵本を選ぶ「The Most Beautiful Books of the Year 2016」に選ばれました。
風はいつ生まれ、どこへ行くのでしょう?
私たちは、風を見ることはできませんが、その動きや音を暮らしの中で感じることができます。
この絵本は風が織りなす1年の物語であり、私たちの日々の物語です。
【優しいイラスト 優しい言葉】
訳をしたのは"ミナ ペルホネン"の皆川明さん。見開き2ページでフィンランドの1ヶ月が描かれています。
風を通して感じていくフィンランドの1年。読み通して目をつぶると自然あふれるフィンランドの情景が頭に浮かぶようです。
装丁も美しいので、インテリアの一部として飾っておくのもオススメです♪
そしてフィンランドの季節、日本の季節の違いをお子様と一緒に楽しみながらゆっくり読み進めていくのも楽しい素敵な絵本です。
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