駐日フィンランド大使館の敷地内に建設予定の「メッツァ・パビリオン」は、フィンランドの木材を最大限に活用する建設物ということだけではなく、フィンランドの魅力が詰まった場所。
フィンランド大使館商務部のノーラ・シロラさんと、木村正裕さんに製作秘話を伺ったインタビューの後編です。
※お二人に伺ったインタビューの前編はこちら
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ネジが届かない!!プロジェクト停止の危機!!
ー今回のプロジェクトはとても大きなものですが、大変だったところはどのようなことがありましたか?
ノーラ・シロラさん(以下敬称略):今回のプロジェクトコーディネーターに任命されて様々な経験をさせて頂きましたが、一番焦ったのが「ネジ」問題でした。
ーネジ問題?
ノーラ):先ほどもご説明した通り、建築物の基礎はフィンランドで作られて、日本で組み立てるという工程でした。
組み立てが翌週の月曜日から始まるという前週の水曜日に成田にネジが到着したんです。そこから税関を通過させる手続きが色々あるのですが、初めてのことだったので、ものすごく混乱しました。
ー月曜日の段階でネジが大使館に無ければ組み立てがスタートできないですよね
ノーラ):そうなんです。「フィンランドから大工まで来てもらいながら、肝心のネジが手元になければ、スケジュールが間に合わなくなってしまう」と考えると気が気ではなくて。関係者の方々に連絡を取りながら、なんとか月曜日の着工に間に合いました。
フィンランド人と日本人の違い?
ーこのプロジェクトを進めるにあたって他に感じたことはありますか?
ノーラ):日本人とフィンランド人の違いも感じることがありました。
ー日本人とフィンランド人は共通するところが多いと感じることが多いですけど、違いを感じたんですね?
ノーラ):確かに日本人とフィンランド人は共通点が多いです。奥ゆかしいところだったり、ちょっとした親切心とか。ただ、ビジネスにおける進め方は違うところがありました。
メールや電話でも日本人は、行間を読む、空気を読むということが大切な感じがありますが、フィンランド人は、結構直接的な表現なので、ここのコミュニケーションを調整するのはちょっと苦労しました。
木村正裕さん(以下敬称略):大使館の立場としては、フィンランド現地の企業と、日本企業の間に立って、円滑に物事を進めるというのがとても大事です。
今回のプロジェクトでは、確かにフィンランドから大工を呼んでいますが、建設工事には日本の企業も多く関わっているので、ここの調整はノーラにとっても大きなチャレンジだったと思います。
ノーラ):あとは、肩書きの違いにも最初は戸惑いました。
日本とフィンランドで、同じような肩書きの方でもカバーする領域に違いがあるので、そこを把握するのも最初は難しかったですね(笑)。
ーフィンランド大使館の敷地内に0から新しい建築を行うのは初めてのことですし、大変な部分は必ずありますよね
ノーラ):そうですね、美術館などにフィンランドハウスを建てた事がありましたが、大使館の敷地内にというのは初めての事です。
建設が、もうほぼ完成したタイミングで、大使をはじめフィンランド人スタッフと、日本人スタッフが一緒にコーヒータイムをする事があったのですが、その時一つのチームになった連帯感を感じました。
色々大変な部分もありましたが、この光景を見て全ての苦労が報われたと心の底から感じました。
東京オリンピック・パラリンピック期間中は「Home of Finland」という名称でプレスセンターに!
ー来年開催予定の「東京オリンピック・パラリンピック」でも「メッツァ・パビリオン」は重要な役割を果たすと聞きましたが
ノーラ):はい、オリンピック期間中はパビリオンの名称を「Home of Finland」に変更します。
ナショナルプレスセンターのような役割を果たすことも想定しています。また、ケータリング等で用意される食べ物やドリンクは、もちろんフィンランドの材料を主に使用し、フィンランド人のシェフが腕をふるって作る予定です。
フィンランドの選手たちが、ここを訪れた際に「家に帰ってくつろげる場所にしたい」という意味も込めて「Home of Finland」という名称にする予定です。
ーそれは素晴らしいですね!他にフィンランドを感じられる部分はあるのでしょうか?
木村):フィンランドは、サウナに入った後、テラスで外気浴をして身体を冷やすという風習があります。今回のパビリオンでサウナに入ることはできませんが、こういったテラスで外の空気を触れるというのは、フィンランドらしい部分だと思っています。
ノーラ):実際に利用することはできないですが、展示用の本格的なサウナも設置予定です。そして、5G環境を整えているのもフィンランドらしいと言えると思います。
リアルとバーチャルを合わせたハイブリット式イベント!
ーフィンランドは日本と比較すると通信技術が進んでいますよね
木村):そうですね、通信技術はフィンランドが世界に誇る技術の1つです。この5G環境を整えるという話は、このプロジェクトが始まった時点で決まっていたことです。
現段階では、食品関連や、環境関連のプロモーションを考えています。
例えば、ある程度人数を絞ってパビリオンにお越し頂いて、フィンランドからバーチャルで参加をして、バーチャルとリアルを融合したような形です。
こういう状況だからこそ、新しい生活様式に合わせてパビリオンも活用して行けると思っています。
パビリオンは、一般向けのオープンデイも実施計画あり!
ーこの「メッツァ・パビリオン」のオープンはいつになるのでしょうか
ノーラ):9月29日(火)にメディア向けのお披露目会があり、10月6日(火)には公式オープニングセレモニーが予定されています。
ー一般の方々が「メッツァ・パビリオン」に来られる日などは予定はあるのでしょうか
木村):もちろん、その予定も計画中です。フィンランド大使館では、「オープンデイ」と名付けて、一般の方が大使館に入場できる日を設けたこともあります。
今年は、新型コロナウィルスの影響もあるので、どのような形になるかはまだ未定ですが、その際は、この場所でしか購入できないフィンランドの商品も揃える予定です。
ノーラ):他にも、フィンランドセンター主催の、編み物などの文化的なイベントや、クリスマスマーケットなども予定しています。
現在「Tokyo 2020 Metsä Pavilion」という名称でFacebookページを運営し、情報をアップしています。一般の方が参加できる催しもこのアカウントでアップして行く予定なので楽しみにしていてください。
今回、まだ完成前の中で許されたインタビューということで、建物内に入ることはできませんでしたが、お話を聞くだけで、フィンランドの魅力がぎゅっと詰まったパビリオンだという事が分かりました。
次回は「メッツァ・パビリオン」の中もレポートする予定なので、お楽しみに♪
「駐日フィンランド大使館 メッツァ・パビリオン公式Facebookページはこちら」
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