「長くつ下のピッピ」「ちいさいロッタちゃん」「やかまし村の子供たち」「名探偵カッレくん」を創り出した、スウェーデンを代表する児童文学作家のアストリッド・リンドグレーン。
彼女の人生で最も激動といえる若かりし日々を描いた映画『リンドグレーン』は、昨年末に公開され口コミが広がり大ヒットを記録しました。
ストーリー
兄弟姉妹とスウェーデンのスモーランド地方の自然の中で伸び伸びと育ったアストリッドは、思春期を迎え、より広い世界や社会へ目が向きはじめる。
教会の土地で農業を営む信仰に厚い家庭で育ちながら、“率直で自由奔放”な彼女は、次第に教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりや男女の扱いの違いに、息苦しさを覚え始めていた。
そんな折、文才を見込まれ、地方新聞社で働き始めた彼女は、才能を開花させはじめる。
しかしその矢先、アストリッドの人生は、予期せぬ方向へと進んでいく――。
リンドグレーン再生の物語
過去の偉人を題材に取り上げた映画作品は、得てして「どのように成功したのか」にフォーカスが当てられ、暗い部分がなく華やかな作品が多い印象がありますが、本作品は趣向がちょっと異なります。
もちろん、リンドグレーンが才能を開花させていくシーンも織り込まれますが、あることが起こり失意のどん底に陥り、そこから彼女自身が再生していく部分に重きを置かれています。
観ていて身が詰まらせられるというか、観ていて辛いシーンもありますが、きちんと正面からリンドグレーンを捉えて描き切られているのが本作品の特徴です。
1人の女性としてのリンドグレーン
リンドグレーンは、児童文学作家という一面と、原発問題や、暴力反対へのメッセージなど社会的活動も行なう一面を持っており、スウェーデンの国民から絶大な支持を得ていた女性でもありました。
そのため、彼女が亡くなった時には新聞が1面で報じ、葬儀にはスウェーデン国王も参列したそうです。現代のスウェーデンは女性の社会進出が進んでいるという話がありますが、リンドグレーンの生涯は、まさにそれを体現したものだと思います。
今回メガホンを取ったのは"ペアニレ・フィシャー・クリステンセン"。
デンマークの女性監督で、本作品が5作品目。女性目線だからこそ、本作品のような良い意味で"骨太"な、見応えのある作品に仕上がっているのだと感じました。
スウェーデンの美しい風景
ストーリーとしてのクオリティが高い『リンドグレーン』ですが、もう1つの見所は、ため息が出るほど美しいスウェーデンの風景。
リンドグレーンが創ってきた多くの児童作品には、スウェーデンの田舎の風景がよく描かれていますが、その原点とも言える彼女の暮らし、すぐそこにあった風景が映画でも丁寧に切り取られています。
北欧に関心のある方はもちろん、多くの女性に観ていただきたい素晴らしい作品です。
『リンドグレーン』予告編
商品概要
『リンドグレーン』DVD
本編123分 | 片面1層 | シネスコ | スウェーデン語・デンマーク語版 | 日本語字幕 | MPEG-2 | 5.1ch | 提供:株式会社ミモザフィルムズ | 販売:アルバトロス | ★デカ字幕採用 | ★特典映像:予告編
キャスト・スタッフ
監督・脚本:ペアニレ・フィシャー・クリステンセン
脚本:キム・フォップス・オーカソン
出演:アルバ・アウグスト、マリア・ボネヴィー、マグヌス・クレッペル、ヘンリク・ラファエルセン、トリーネ・ディアホム
2018年/スウェーデン=デンマーク/スウェーデン語・デンマーク語/123分/カラー/シネスコ/5.1ch
原題:Unga Astrid 字幕:大西公子 字幕監修:菱木晃子 後援:スウェーデン大使館、デンマーク大使館
配給・宣伝:ミモザフィルムズ レイティング:PG12
公式サイト:http://lindgren-movie.com
© NORDISK FILM PRODUCTION AB / AVANTI FILM AB. ALL RIGHTS RESERVED.
北欧の今を知ることができるライフスタイルマガジンLifTe!
地元客にも長年愛される北欧各国の絶品レストラン!
人気ブランドのテキスタイルデザイナーが明かす制作秘話!
そして観光定番から最新スポット情報も!
北欧の今を知ることができるライフスタイルマガジンLifTe「Vol.01」「Vol.02」は、絶賛発売中!
↓ ↓ ↓ ↓
北欧ライフスタイルマガジン「LifTe vol.02」
スポンサーリンク
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。