2024年冬の北欧取材8日目・後編。
午後は、フィンランドらしい癒しの時間を求めて市内をめぐることに。
湖畔に佇む伝統サウナ「Rauhaniemi Folk Spa(ラウハニエミサウナ)」で、凍った湖を前に、心も体もゆっくりととのいます。
夜は、地元ブルワリーが手がける「Pyynikin Brewhouse(ピューニキン・ブリューハウス)」でクラフトビールとグルメバーガーを堪能。
サウナの余韻とともに、タンペレの冬の夜をじっくり味わいました。
👉【2024 北欧旅日記 8日目】ヘルシンキ→タンペレ<前編>はこちら
ホテルからラウハニエミサウナへ、バスで快適移動

宿泊しているホテル・カウッピからラウハニエミサウナへは、タンペレの公共交通機関を利用して向かいました。
タンペレのバスやトラムを利用する際には、公式アプリ「Nysse(ニッセ)」が便利。
チケットの購入やルート検索が簡単にできるので、観光客でもスムーズに移動できます。アプリで最寄りのバスを確認し、数分歩いてバス停へ。
タンペレは公共交通が発達していて、バスの本数も多いので、市内の移動がとても快適です。バスに乗ると、市街地の景色が次第に変わり、中心部を抜けると、やがて湖沿いのエリアへ。

バスを降りたあとは、雪に覆われた森の中へ。
「ラウハニエミサウナ」へは、こんな静かな林道を数分歩いて向かいます。
写真のような、凍った道と針葉樹の森がつくる風景は、まるで物語の中に迷い込んだよう。足音だけが響く静けさのなか、目的地が近づくたびにワクワクが高まります。

森を抜けた先に現れたのは、「ラウハニエミサウナ」の入り口。
建物の脇にある駐車場には、平日夕方にもかかわらず多くの車が停まっていました。
1929年創業のこのサウナは、観光客はもちろん、地元の人々にも長年愛され続けている存在。
薪サウナと湖、そして自然がすぐそこにある——まさに“本物のフィンランド式サウナ”を体験できる特別な場所です。
本場フィンランドを感じる、湖と自然が一体になったサウナ体験 -MAP①

ラウハニエミサウナの魅力のひとつは、ナシ湖のほとりという絶好のロケーション。
サウナ室を出ると、目の前には広がる湖と森の静かな風景が待っています。
特に冬は、凍った湖に開けられた“アヴァント(氷穴)”から湖水浴にチャレンジできるのが醍醐味。
薪サウナで芯から温まったあとに、冷たい湖に飛び込む体験は、現地の人にとっては日常の一部であり、旅行者にとっては一生忘れられない思い出になるはずです。
2種類のサウナで楽しむ、“自分好みのととのい方”
ラウハニエミサウナには、大小2つのサウナ室があり、それぞれ温度や雰囲気が異なります。
大きなサウナ室は熱めの設定で、ロウリュの熱気に包まれながらしっかりと汗をかける本格派。
一方、小さなサウナ室は比較的穏やかな温度で、ゆっくりとリラックスしたい方にぴったりです。
どちらのサウナにも出入口付近にベンチが設置されており、冷たい外気のなかで“外気浴”を楽しむことも可能。
サウナと外気の寒暖差を繰り返すことで、心も体もじんわりと整っていく感覚が味わえます。

夕焼けとともに味わう、至福の外気浴
訪れた日は、夕暮れ時の空がとても美しく染まり、外気浴をしながらその幻想的な光景を楽しむことができました。
温まった体を冷たい空気にさらしながら、静かに変わっていく空の色を眺める——この時間こそが、ラウハニエミサウナの最大の魅力かもしれません。

サウナ後はマッカラとビールでひと息
サウナの外には、自由に使える“マッカラ(ソーセージ)焼きスペース”があり、自分でマッカラを焼いて楽しむことができます。
受付ではマッカラやビールも販売されているため、手ぶらで訪れても大丈夫。
サウナのあとに、ホカホカのマッカラと冷たいビールを味わうのは、フィンランド式の最高のご褒美です。

ラウハニエミサウナは、フィンランドの自然と文化を一度に体験できる、まさに“ととのいの聖地”。
歴史ある施設での薪サウナ、ナシ湖での水浴び、そしてマッカラとビールを味わいながらの外気浴——そのすべてが揃った体験は、旅の中でも格別な時間となるはずです。
タンペレを訪れた際には、ぜひこの特別なサウナに足を運んでみてください。
ピューニキン・ブリューハウスで味わうクラフトビールと絶品バーガー -MAP②

ラウハニエミサウナで心も体もととのったあとは、タンペレ中心部へ。
次に向かったのは、地元ブルワリーが手がける人気のビアレストラン「ピューニキン・ブリューハウス」。
赤レンガ造りの重厚な外観に灯る看板が、クラフトビール好きの期待感を高めてくれます。
運営元は、地元で愛されるクラフトビール醸造所「Pyynikin Käsityöläispanimo(ピューニキン・カシトゥオライスパニモ)」。
タンペレの街に溶け込みながらも、ひときわ存在感を放つスポットです。

店内に入ると、ずらりと並ぶビアタップと吊り下げられたグラスが出迎えてくれ、テンションが一気に上がります。
約20種類のドラフトビールが揃い、ビール好きにはたまらない空間。
内装はカジュアルでありながら程よく洗練されていて、観光客はもちろん、地元の人たちにも“行きつけ”として親しまれている様子が伝わってきます。

この日選んだのは、看板メニュー「クラフトバーガー」と、それにぴったりのクラフトビール。
ザクッと香ばしい衣に包まれたチキンに、シャキシャキのレタス、ピクルス、そしてコクのあるソースが絶妙にマッチ。
一口ごとにビールが進む、まさに王道のペアリングです。

冷えたグラスに注がれた一杯は、透き通る黄金色にふわりと立ちのぼる泡。
さっぱりとしたホップの香りとキレのある飲み口が、サウナで火照った体に心地よく染み渡ります。
まさに“ととのい”の続きを味わうような、極上の一杯でした。
夏には川沿いのテラス席も開放され、自然を感じながらの食事も楽しめます。
クラフトビールの多様性と料理のクオリティを堪能しながら、タンペレの夜をゆっくりと締めくくることができました。
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